かなり前にこちらのブログ「ダイナのカウルステーが折れた」という報告をいたしましたが、今回はこの後日談です。

カウルのステー折れ自体は4月後半には修理されてたんですが、私の気が乗らなくって、ブログにするのを伸ばし伸ばしにしてました。


(日本庭園の「ししおどし」のようになっちまったカウル(笑)。ゆったりとした動きとカチャンコという澄んだ音に、癒やしの風情すら感じられます。)

このカウルステー、以前も同じところからポッキリ折れてるんですが、その時はシックデザインからステーだけ取り寄せて交換してます。私の記憶ではステー1本1200円ほど。大体2万5000㎞くらいで折れちゃったわけですが、まぁあんだけ振動でカウルがブルブル震えればしょうがないところもありますね。

そこで今回もディーラーに「ステー取り寄せてくださぁい♡」と連絡したわけですが、折り返しかかってきた電話に衝撃を受けることになりました。

「へっちまんさん!大変です!!シックデザインに問い合わせたところ、取り付けステーセット税込み1万3200円とのことです!」

「・・・・・・・・・・・・・」

(うぉおおおおおおぉぉぉおおおぃ!!!誰の許可を得て価格10倍にふくらんだんじゃワレェェェエ!!ステーの素材がオリハルコンにでも変わったんかァアアア!!)

↑ は私の心の声ですが、根性なしの私は当然これを声に出すことはできません。

聞くところによると、ティーラビキニカウルについては同様のステー折れトラブルが後を絶たなかったため、メーカーの方でいろいろと対策した結果、「ステー周りのパーツ一式を全交換する」ことを推奨することにしたようです。

折れる運命のステーを定期的に交換するより、その方がいいのかもしれませんが、この価格になっちゃうと「もう価格がステー10本分だよね!折れる度に変えていった方が絶対安いよね!」ってことになっちゃう。

あまりのことに「もうカウル外して裸電球に戻したろか?」とも思いましたが、それでは私の「柔らか肉の哀戦士ボディ」が耐えられないので、ブログと脳内で吠えることしかできない。

しょうがないので、滝のような涙を流しながらステーセットを注文しましたっつーか、そうせざるを得んだろこれ。ステーがなけりゃカウルなんてタダの歪んだ板ですよ。

とりあえず、届いたものを箱開けて確認してみました・・が・・「ナニコレ。ホントに全部変わってるじゃないの・・・。」


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(こちらが新たなアイテム、メクラ蓋。これでカウルの上部を押さえることによりブレを防止するらしい。)
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(こちら新旧のカウルステー。一見似てるようですが、新しい方は穴にタップが切ってあり、メクラ蓋がねじ止めできるようになってます。)
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(こちら、新旧のステー。一番右がボッキリ折れた今回のステーです。左のヘッドライトオフセットステーは形状がかなり変わってますね。)


あのね。全部変わってるってことは、ステー全部取り替えなきゃなんないわけですよ。もう一から付け直しってことですよ。ハンドルブラケット外して下のステー取り替えて、ヘッドライトオフセットのステーをつけ替えたあげく、ヘッドライトの光軸あわせしなきゃなんない。もう超めんどくさいのよぉおおおおおお!!

とりあえず変わったパーツを比べてみましょう。今回一番変わったのは、これまでステーがむき出しだったトップブリッジ部分にメクラ蓋がついたことです。

シックデザインさん曰く「コレによって、アイドリング時、走行時のカウルのブレが抑制され、ステー折れの原因を取り除くことが可能」となるそうです。確かに以前はアイドリングの度に、スゲぇカウルがブルブルしてました。

私のバイクはカウルが赤いので、「うちの赤ベコが興奮しすぎちゃって!」みたいな感じになってたわけですよ。

これがどう変わるのか?ステーだけに1万3200円も払ってなんも変わんなかったら、私は怒りのあまり、最後の切り札、藁人形と五寸釘持参での山ゴモリを発動してしまうかもしれない・・・。

理不尽なやるせなさを胸に抱きながらも、とりあえずカウルの左右取り付けステーの交換から行っていきます。作業としては、ハンドルブラケットをいったん外し、トップブリッジの下部にカウルステーを取り付けてブラケットと一緒に共締めします。ハーレーのハンドルブラケットは衝撃を緩和するため、基部にゴムが取り付けられてて、締め付けトルクも割と低めなんですが、問題は「ハンドル周りがクッソ重い」こと。

正直、二人でやれば造作もない作業なんですよ。「キミィ。ちょっとハンドル押さえておいてくれんかネ?」って支えてもらってパパッとステー差し込んで規定トルクで締めて終わる作業です。しかし、私はひとり。手は二本しかない。股間の隠されたアームを入れて3本ですが、このアームは難しい作業はまったくできません。

手順的には、ダンベルのように重いハンドルを左手で支えながら、既存のステーを取り外し、右手で新しいステーを差し込んで、ネジをセットして締め上げるわけですが、どう考えても、①ハンドル押さえる、②ステーを差し込み押さえる、③ネジを入れる、で手が3本いる。これを2本でやろうとすると、それなりの知恵が必要。「棒とミカン箱使ってうまくバナナ取れ」っていうチンパン君向けの知能試験されているような気分になってきますね。

なんとかこの知能テストをクリアすると、次はヘッドライトオフセットステーの取り替え。一般にビキニカウルをライトにそのままかぶせると首が詰まったような状態になる。ティーラカウルはこれを防ぐため、特殊なステーでヘッドライトを前方に7㎝ほどオフセットさせてるわけです。でも、これがまた振動で折れるわけですよ。私もこれで一回酷い目に遭ってクレームを入れたところ、補強付の対策ステーが送られてきました。今回の新しいステーは、これまでの対策ステーについていた補強がなくなっているかわりに、ネジ受けが取り付けられている。間違いなく強度落ちてるように見えるけど大丈夫なんか?

とりあえずシックデザインに直電して確認したところ、「あっ!商品開発の担当者に替わりますっ」「あっ!商品開発の担当者は今、カウル取り付け中でしたんで、折り返し電話します。」と、テンパり気味に「あっ」を連発するお姉さんを経由して、軽いノリの男性が電話してきました。

「あのー。初期型のティーラカウル買った者です。最近ステー折れしたんで、ステーセット購入したんわけなんですが、ヘッドライトオフセットステーの斜めの補強なくなってますよね。ちょっと華奢になってないですか?折れないですか??」

「ヘッドライトのオフセットステーに昔ついていた補強がなくなってる??うーん、そうだったかな?強度ですか?えーーーー、あーー、あれはーーー、昔は折れたって話がちょくちょく入ってきてーー、そういえば補強つけていたときもありましたかねぇ・・。」

「いやーーーー、今まで何度となくいろいろ対策してるんでねぇ。多分一番初めのは鉄の厚みが薄くて折れたと思うんですよぉ。今ちょっとブ厚くなってないですか?わかんない?そうですかー。現状のやつはぁー、とりあえず大丈夫なはずなんですがぁ。」

とすっげぇ薄ボンヤリとした答えが返ってきました。おい、商品説明にこんなの出したらダメだろ(笑)こんな雑なのはまず間違いなく社長だな。

一抹の不安を感じますが、「現状ではこれ以上の回答は得られない(笑)」と判断し、シックデザイン様を信じてオフセットステーも新品に取り替えることといたします。

ヘッドライト周りの取り付けは、特段難しいことはないんですが、問題は光軸調整。車検上はいろいろと光軸調整のルールがあるわけですが、特に今回車検通すわけじゃないので、手順はいろいろ無視します。

立ちダイナ
(基本アホキャラしか描けない私ですが、その中でも屈指のアホがダイナ嬢。頭悪いし、繊細さはまったくない、取り柄はエロボディだけです。)

今回、私が行った光軸あわせは、夜半過ぎに近くの広い農道までバイクを押しつつ出張っていって、ライトを上下左右に動かしながら、対向車がまぶしくなく、安全に走行できる視界が確保できるところを、対向車側に出てみたり、跨がってみたりしながら確認し、その後ヘッドライトを適度な位置に固定するという単純作業です。

なんか書いていると適当ですが、これが一番確実なんですよ。そもそも光軸調整の正規の作業手順は、「車検場という狭い空間でなんとか光軸を正しくあわせるため」に生み出された苦肉の策なんですよ。真の光軸あわせは広大な暗黒空間の中で、地面を直に照らして照射範囲を確認しながらやるのが一番いいと思ってます。

クソ田舎には都会には望んでも得られない暗黒・静寂・無人の空間がある。「無限に広がる大農地」という光なき世界があるんです。そこに深夜ただ一人。時間を気にすることもなく、照射範囲を目視で確認しながら満足いくまで光軸調整ができるという幸せ。

ライトを真上に照射させて、バトルオブブリテンの気分を味わったりすることもできちゃうんです。チマチマした光軸調整とはスケール感が違いますよ。

「これこそが真の光軸調整である!車検場という貧しい空間の中で作られたルールなど所詮まやかしにすぎない。あえて言おう!チンカスであると!!」

「カスが嬉しげにカス演説をする」というシュールなシュチュエーションはガンダムが生み出した最高のウィットですが、それが、まさに今の私の姿です。

カス野郎
(50億人を葬り去ったカス野郎が民衆をカス呼ばわりという、全人類カス認定計画を実行したギレン・ザビ。いろいろやり過ぎた結果、老け顔の妹に誅されるという典型的な小者人生。自分をカスだと気づいていないカスほど始末に負えないものはない。)

これで後はメクラ蓋をつけるだけ。このメクラ蓋にいかほどの効果があるのか?「イグニッションスイッチオォォォン!!さぁ見せてもらおうか、おニューのメクラ蓋の性能とやらを!!」

キュルキュルキュル、ブロォオオオオン、ドドドドドド・・

「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!カウルが全然ブレないぜ!!」

いやもうこれ最初からつけてくださいね。頼むから。

メクラ蓋がついたことによるメリットは、カウルがブレないだけじゃない。そのスペース使って、いろんなデコレーションができる。それでは私らしく変態バイクに変えていきましょう。そうしましょう。

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(まずは蓋の上にETCの受信機を設置。次に前のステーにくっついてた私の会社の社員章を取り付け、その上に安全運転ステッカーを貼付しました。)

Enjoy The Road
(石川県輪島市出身の巨匠永井豪大先生のキューティーハニーから、ハリケーンハニーの安全運転ステッカー。こんなステッカーみたことないよ?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それも当然、私の自作です。)

というわけで、ダイナのカウルステー交換、ちょっとした大仕事になりましたが、無事終了です。お粗末様でございました。