皆さんこんにちは。超低性能社会不適合者のへっちまんです。こちらのブログ(→至近距離でのソーラー・レイ(ハーレー・ダイナのカウル崩壊について))でビキニカウルのステーがポッキリ折れたことをご報告いたしましたが、今回はこのビキニカウルについて、少し私見を述べたいと思います。

「いや、その前にさ。ダイナになんでビキニカウルなんかつけてんの?ダッサ!!」

ってカウル嫌いの人は言うかもしれません。確かにビキニカウルってのはロケットカウルの次に「変態性の高い」カウル。美しいスタイリングと防風性能を求めるのならフルカウルの方が絶対バランスがいいわけです。

ビキニカウルってのはネイキッドベースでスタイリングが完成してるバイクのヘッドライトに、無理矢理被せてるものですから、デザイン的にも頭が重くなるし「後付け感」も否めない。

純正でビキニをつけているバイクにはその辺をうまく処理してるやつもありますが、デザインを重視すると小さなカウルになるケースが多くて、「ついてなくても一緒じゃん」なんてことになりかねないんです。

これが、フルカウルならフロントカウルとアンダーカウルのボリュームを調整することで、デザイン上の整合性をキッチリ取ることができるんですが、ビキニじゃそれは難しいですね。

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(我が愛車のダイナ・ローライダー。最初に購入したのは2009年でした。2013年に追突事故で廃車になり、同じローライダーの2013年モデルを即購入。通算で11年のおつきあいになりますが、何でもこなす万能バイクです。)

あと、ビキニカウルはステアリングに直付けするんで「ハンドル周りが重くなる」という欠点があります。FRPのカウルは軽いといえども、ステーもあわせると2㎏くらいの重量になりますので、そのぶんハンドル周りの軽快さは確実に失われる。

そんなデメリットのカタマリのようなビキニカウルをなぜつけてるのか?っていうと、

「ダイナの風当たりって強すぎるんだもの!!もう歳だし!しんどいし!!」

っていうすごく単純な事情。カッコいい理由なんてまったくない。

「なに言ってるんだぁぁぁあ!アメリカンは風当たりが強いのが当たり前だろぉおお!!!男なら黙って耐えろおぉぉ!!!」ってスゴまれたって、そんなの知らない。あのね。そういう発想がバイクをワキガ臭いものにしちゃってんですよ。

私がバイクに乗ってるのは気持ちいいからで、私が「マゾヒスト性癖」だからじゃないんです。そんな無理してたら、ずーっとバイクになんか乗れないですよ。長く乗るためには我慢ばかりじゃダメで自然体が大事なんです。バイクだって乗り物である以上、「適度な風を感じつつ爽やかにワインディングを駆け抜けちゃって、んーーーマンダムゥ!!」って案配が一番いいわけです。

国産のノンカウルのリッターバイクって、前方に設置された砲弾型のタコメーターやスピードメーターに僅かながらも整流効果があって、お腹や胸にあたる風をそれなりに散らしてくれる。

加えて緩い前屈みのポジションでニーグリップもできるため、体幹全部を使って体を支えることができるんで、慣れれば最高速域の風圧にも耐えられるわけですよ。国産は限界がある中にも「最低限の配慮がある」からまだ許せるんです。

でもねぇ、ハーレーにそんな配慮はまったくないですよ。風は散らされることなく、腹や胸にモロ直撃ですし、ポジションは殿様で、ニーグリップもなし。まさに「人間エアブレーキ状態」になってるんですよ。

お腹や胸って前方投影面積メチャクチャでかいから、高速域では「エアロックから吸い出されそうになってるエイリアン」みたいになっちゃう。もう土俵際の力士のように「風圧の怒濤の突き押しを下からあてがって耐える」感じなんですよ。

年寄りに風圧我慢しろっていったところで無理。軟弱になってるし、疲れやすいし、我慢が嫌になってますからね。

歳食っても「豪の者」なんて、どこの天下の大将軍だよと。オッサンが若い衆を剛力でぶっ飛ばすなんてのは「キングダムの世界で十分」。そういう自然の摂理を受け入れず無茶するから、中年がどんどん死んでいくわけですよ。

だからといって、

「わかったわかったジジイ。じゃぁ俺の後ろを40キロでついてこいや!」

なんて言っちゃダメ。

「なめんなぁああああ!!このクソガキがあぁあああああああああ!!!オマエのバイクのマフラーに、俺の黄ばみパンツを蒸着させて妊娠させてやろうかクォラアアアア!!」

ってなりますから。

走り屋だったオッサン達は、「ボク衰えちゃったからカルガモみたいに後ろからついていくんで、介護してね♡」なんてことはこれっぽっちも考えてない。衰えた能力を高性能なバイクやアイテムで補おうとしてるだけ。

ザクⅡで最前線を張ってたオッサンが「もう疲れたから、ビクザム寄こせ」ってとんでもないことを言い出しただけで、本質はなんも変わんないんです。

要するに、以前と同等のスピード出そうとすると、ダイナの容赦のない風当たりがすっげぇ疲れるからビキニカウルつけましたってわけなんですね。いやー、このたった2行の結論に到達するまでがクソ長いのが私のブログのヤバさですね(笑)

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(ブログのお題がビキニカウルって時点でダイナ嬢のハイレグビキニはお約束。描いておいてなんですが、私はビキニの水着よりワンピースの方が好きなようです。アニメで「レオタード系戦闘服」を見すぎてしまって性癖が歪んだのか?)

ということで、私がビキニカウルに求める仕事は、高速域において腹や胸周辺の風当たりを防ぐこと。頭や肩や足は風が当たっても耐えられるけど、胸腹に風が当たると、体全体が空気抵抗になってメチャクチャ後ろに押されちゃう。ニーグリップできないと、これは結構キツイです。

シックデザインの大きさ位のビキニつけると、ダイナが出せる最高速域くらいまでフツーにイケるようになりますから、実用でカウルつけるんなら、そこそこの大きさのビキニカウルが必要じゃないか?と思うわけです。

あと、若い人は信じられないかもしれませんが、歳食うとこのビキニカウルやロケットカウルの変なデザインが好きになってきます。

バイク歴が長くなると、デザインの許容範囲が広くなって機能性にあふれたデザインが刺さるようになってくるんです。昨今冬用ジャケットとしてワークマンのイージスが大人気ですが、ついにバイク乗りが機能性を求めて「ドカチンの着衣」にまで手を伸ばしはじめてるわけですよ。もう「暖かいなら何でもいい」って心の声が聞こえますね。

大事なのは冬場に暖かいことで、過酷な環境でカッコなんて二の次なんです。

バイクってのは後付けで機能性を追加すればするほどブサイクになるんで、機能を求めていくというのはブサイクを受け入れることとほとんど同義といってもいいわけですが、それが普通に受け入れられちゃうようになるんです。

で、一度感覚が麻痺してしまうと、ビキニカウルや、ロケットカウル、機能性重視のフレームマウントの巨大カウル等のブサイク系が逆にブッ刺さってくる。私は、どうせビキニやロケットカウルつけるんなら、カッコ重視で小さいカウルより機能性のあるブサイクカウルを推しますよ。慣れれば手放せないし、ブサカワってとっても心に染みますよぉ。ハーレーで言うとツアーグライドとか丸目の頃のロードグライドなんかチビリそうなくらい最高です。

ツアーグライド
(こちらロードグライドの元祖ツアーグライド。このカウルを最初にデザインした奴は天才です。)

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(どうですこのカウル。やはりロードグライドは丸目。ブーブー、ブリブリ♪って鳴き声が聞こえちゃうような可愛さです。なでたい♡)

ということで、私はとしては、中年になったハーレー乗りの皆さんにビキニカウルは超おすすめ。あの心地いい牧歌的エンジンをそれなりの速度で味わうには、ビキニカウルは外せない選択肢の一つだと思うんですよね。