最初に叫んでおきます。

「トラブルの往復ビンタで、もう金なくなったんだがーーーーっ!!」

ジョントラボルタ
(サタデーナイトフィーバーのジョン・トラボルタ。トラボルタがフィーバーするぶんには楽しいですが、トラブルがフィーバーでは呪いの言葉しか出ない。)

天気も良くうららかな小春日和、気持ちよくダイナで行きつけの道の駅に向かって走っていたとき、それは起こりました。

「ドドドドドドドドドドドドド!!」

パキンッ

「カタカタカタカタカタカタカタカタ!!」

「ドドドドド」っていうのは、私のダイナのエンジン音、問題はその後の「パキンッ」「カタカタ」です。

はわわわ・・、このカタカタはいつかどこかで聞いた音なんですが・・・。前方を見るとカウルが骸骨の笑いのように上下に激しく揺れている!!

「ぐわーーーっ・・これは・・カウルのステー折れ・・・。またなのかよ!!」

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(これがカウルのノーマル状態。ライトがかなり前にオフセットされてるのでカウルが前方に展開します。このため小さなカウルでも防風効果はかなりある。) 
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(カウルが折れてげしょげしょしてます。下部のステーが折れてるため、普段は見られない上向きの表情が可能。)


この重大トラブルのためツーリングはそこであえなく強制終了。もう進軍は諦め、Uターンしてガレージに舞い戻るしかない。「あーあーあーー」口から漏れるのは嘆きのみ。ここ最近ずーーっと寒さと悪天候でバイクに乗れずに悶々としてて、ようやく暖かくなったんで久しぶりに気持ちよく走ってるときにこのトラブルです。超ヘコむ

どれくらいヘコんだかっって、キャバ嬢に「アナタ、威勢いい割にはたいしてお金使わないよね!」って言われたときくらいヘコみましたよ。何気ないキャバ嬢の一言やバイクのちょっとしたトラブルで人は一気に現実に帰る。これまで楽しんでいたキャバクラが「ドスゲネポスの巣」のような気がしてくるわけです。

ドスゲネポス
(ドスゲネポス。モンハンの中で最も風俗臭を感じる。コイツは稼ぐ面構え。)

いやもうマジでこんだけトラブルやメンテで立て続けに金が出てくのは家計における厄災ですよ。昨年の10月から今までで、45万円近くもかかっちまってる。しかも今年の3月には車の車検とサス交換でスゲぇ金出てるし、6月にはF6Bの車検もあるんですよ!自分でもメカもんに金使いすぎ!!ヤバすぎ!!全然浪費してないのよ!直してるだけ!現状維持してるだけなの!!なのにこの損耗・・持続不能・・。

しかも、ZX25RとかH2Rにちょっと色目をつかった瞬間に懲罰とばかりこれですよ。

「この野郎!買い換えさせるか!!」

っていう強い怨念を感じる・・貞子と伽椰子に挟まれてギラススピンされてる感じ。これじゃ新しい子をご指名するどころじゃねぇ!古女房ヅラしてるダイナとF6Bに完全にガレージに居座られちゃってるよ!怖えぇよ!!

ダイナとF6B45+1
(悪夢のような会話。まあハーレーもゴールドウイングも完全にうちの子状態で馴染みきってるってのはある。)

しかも、この金使いの荒さでは妻からの「財産保全命令」が発令されるのも時間の問題。財産処分権が剥奪され、コロナとは1ミリも関係ない別個の緊急事態宣言で自宅軟禁になりかねない。でもね、これからダイナの一番いいシーズンがやってくるってのに、「カウル直さないわけにはいかないのよ!」

一方で、この腹だたしいステー折れも悲しいかなブログネタとしてはオイシイわけですよ。ブログネタっつってもその辺に転がってるわけじゃないし、バイクなんて「カスタム関係」か、「ツーリング関係」か、「メンテナンス関係」「トラブル関係」あたりくらいしかネタがない。

私の場合、カスタムについてはブログ開設当初からほとんど仕上がってしまっていて、これ以上イジる予定はありませんのでネタは出てこない。ツーリング関係はブログネタにはなりますが、ブログ書くためにツーリングするわけじゃないし、私の場合は同じ場所を鮭のように走り回っているだけなのでネタなどない。

となると、残るはメンテナンス関係かトラブル関係が主なブログネタなんですが、この中で「最もブログネタにしたくない」のがトラブル関係です。これは私の不幸をネタにするので、ブログを読んでくれている人にとってはメシウマなのかもしれませんが、こっちはたまったものではない。

にもかかわらず、「トラブルネタが多すぎんかね、キミィィィイイイ!」ってツッコみたくなるほど、この手のネタが多い。昨年38万円を剥ぎ取っていったダイナのエンジントラブルや、分解修理をしないでほったらかしにしてあるF6Bのパニアのトラブルに引き続き、今度はカウルのステー折れですよ。もうね、損耗の山を築きまくりながらまったく前に進めない二百三高地状態ですよ。こういうトラブルって、金かけて壊れたの直しても元に戻るだけでなんのプラスもないんですよ。

今回の奴なんて完全な持病。ハーレーの純正部品はどんな振動でも根を上げないほど丈夫にできているんですが、社外品はハーレーのやんちゃぶりに耐えられないケースが散見されます。特に国産メーカーにとってはハーレーの大地母神の怒りみたいな振動は未知の領域。こんな容赦なくガタつくバイクは、他にありませんからねぇ・・。

ハーレーのラバーマウントなんて振動消す気が全然ないんで、国産バイクでは絶対に壊れないパーツ強度でもハーレーに取り付けると簡単に壊れる。この予測を上回る振動に耐えるには圧倒的物量、つまり過剰なまでの「鉄の厚み」しかない。しかし、国産メーカーの最適化と軽量化技術はいつしか、この過剰な物量を選択できないほど合理的になってしまっているわけなんです。

私の取り付けてるティーラビキニカウルは延長ステーでヘッドライトを前方にオフセットさせて取り付けるっていう小技を効かせてます。カウルを前方に取り付けることによって、首が詰まったような状態を回避し大型のカウルでも伸びやかなシルエットが可能になってるんですね。

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(ポッキリ逝ってます。ステーの疲労強度が足りないんでしょうね。)

しかし、初期はこのヘッドライトの延長ステーが実に脆かった。私が購入した初期ものは使用して僅か1000㎞で延長ステーが折れて、ワインディングのど真ん中でヘッドライトがカウルの中でガタガタ踊っちゃったんですよ。

「いやぁん!首がすわってない赤ちゃんなの!!」

って叫びたくなるくらい、カウルの中でライトがグルグル回ってて、対向車には私のバイクは目がキョドってるカメレオンのように映ったことでしょう。しょうがないのでヘッドライトをタオルにくるんでぶら下げつつ50㎞近い距離をヘロヘロと帰投する羽目になったんです。

シックデザインに「この野郎!僅か1000㎞でステーが折れたんじゃが!」と報告したら、3日くらいして対策品と称するステーが送られてきたんです。それ見た瞬間、「うぉぉぉおおお!!ビルドアップしてきたぁ!プロテイン飲み過ぎぃいいいいい!!」ってツッコみたくなるくらいゴツくなっててビビりました。この対策品に変えてから5年5万㎞ヘッドライトはビクともしてませんので、ヘッドライトオフセットステーについては十分な耐久性があるものといえます。

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(現在のライトステー。これがボッキリ折れたわけですが、今ついている対策品は斜めに補強が入っています。)

「これでトラブルが解決した!」と喜ぶのも束の間、次に折れたのはカウルの下部を止めるステー。これはフロントフォークの三つ叉にボルトで止め、カウルの下の部分をネジで固定するためのものなんですが、これが振動で三つ叉から出てる部分からポッキリ折れちゃう。私はカウルをつけてこれで5万6千㎞走ってますが、この下側のカウルステーの折れは既に2回目。定期的に折れるっていうことは製品強度のムラってわけではなく、「絶対的な強度が足りない」ってことですよね。

カウル本体はFRP多層構造で非常に丈夫で、メーカー純正に負けないくらいのクォリティですが、取り付けステー部分の強度設定は純正ほどの耐久性はない。振動に耐えるパーツを作るってのは一筋縄ではいかず、製品が想定された寿命まで耐久性が保証されるには、ちゃんとした振動試験をして検査するのが一番確実。

でも、ハーレーのような大メーカーならともかく、中小企業のカウルメーカーが振動試験に金を使えるわけもなく、過去の経験を生かして「こんなもんで十分じゃね?」って感じでステーの厚みを設定してるのではないか?と思うんです。

まぁだからといって「社外品が悪い!」ってパーツメーカーだけを非難すればすむ問題でもないわけです。ハーレーフリークは鼓動感がどうとか言ってますが、乗っている人間を満足させるような振動って半端じゃない。しかも嬉しげにその振動をどんどん増やそうとする。

乗り手が欲望を満たそうと振動にこだわる一方で、それは、あらゆるパーツに想定以上のストレスをかけ続け、信頼性を低下させるんです。多くの社外パーツメーカーが想定しているのはノーマルの振動であり、チューニングにより振動が激増し、それによりパーツ寿命が縮んで欠損してしまった場合の責任はライダーが負うべき理屈になる。

ライダーのわがまま放題に溢れでる欲望を許容し、長期にわたる信頼性を維持しようとすると、ハーレーのように「質量の怪物」にならざるを得ないんですが、耐久マージンをこれでもかと過剰に盛り付けていくやり方は、日本の最適化を優先するもの作りとは相容れないし、パーツメーカーは乗り手の欲望の果てまでつきあう義務もない。チューニングによりノーマルの枠からはみ出してしまった以上、それが理由で欠損したものは、ユーザー側で埋める必要があるわけです。

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(カウルを取った方がカッコいいじゃねーか!って思う方もいらっしゃるでしょうが、私なんかは、え?これじゃフツーすぎるでしょ?と感じてしまう。変態と化した私にもうマトモな感性は残っていないのか・・)

消費者としてしっかりとバランスをとるためには、現実を直視しなければなりません。で、現実を直視するってことは、「自分自身を直視する」ってことなんです。

バイクが壊れる時は必ずどこかに原因があり、その原因がメーカーなのか、自分なのか、その両方なのか?をしっかり見極めないと、トラブルへの対応もタダのクレーマー近いものになっちゃうわけですよね。

結局、バイクも消費も、深みにはまればはまるほど、「自分自身がどうしようもなくオロカな人間だ」という認識に行き着いちゃう。そこに辿り着くことなく、自分が正しいと思い込んでいるうちは事故も減らないし、欲望にも際限がないし、結論も一人よがりになってしまうんです。

この世のいろんなことを分析するためには、デカルトがやったように、まずは自分を否定し、疑わなくてはならない。最初に自分を火あぶりにしてはじめて、フラットな目線でこの世を眺められるようになるんじゃないかと思うんですよ。

そういうことに思いをはせると、私の乱暴な乗り方に耐えつつも、ダイナとF6Bは初年度登録から共に7年を迎えるわけで、ここ数ヶ月のトラブル続きも「丁度そういうことが起きる頃合いなのかもしれないな・・・」などと納得できちゃったりするわけですね。

ただ、私が納得してもこの世には「到底納得できない」という、私の妻のような人も必ずいる。というわけで今日も私は妻の目から放たれるソーラ・レイのような怪光線で焼かれ続けているわけです。

ソーラ・レイ
(連邦艦隊を直撃するソーラー・レイ。これこそ天空を照らす断罪の光。)