マーベラスなオイル交換って何やねん!って突っ込みたくなるお題ですが、以前何の変哲もないダイナのオイル交換を「ミラクルオイル交換」という大げさなブログ名でお送りしましたので、F6Bにも不公平にならないよう「マーベラス」という枕詞をつけただけ。内容はマーベラスに地味なオイル交換であることをお許し下さい。

ゴールドウィングのオイル交換の推奨距離は1万㎞。結構なロングライフでありますが、6500回転くらいで回転リミッターかかりますし、用途も長距離を延々走るロングツアラーですから、1万㎞でも問題ないとされているんだと思います。

F6Bオイル交換・笑顔
(バイクがこんな風に可愛くお礼を言ってくれればオイルの入れがいもあるんですが、実際は千円札が変化した黄金水を無言で飲み込んでいくのみ・・。)

私はF6Bの本来の用途を無視し、細く急勾配な舗装林道を走ることを日常的に楽しんでいるバカですので、エンジンにかかる負荷もそれなりにありそうなんで、指定距離を待たず6000㎞で交換することにしています。ダイナは4000㎞くらいで交換してるので、それに比べれば交換距離は長いです。もっと引っ張っても良さそうなものですが、まぁ気分の問題です。

入れるオイルはホンダ純正のG3。私のマンガのF6Bは、ダイナがスクリーミンイーグルを入れてることにタメ張って「ホンダで一番高いオイルを!!G4を入れて下さいっ!!」などと過去に主張しているようでしたので、ホンダ純正のトップグレードオイルG4についていろいろ調べてみました。

ホンダのホームページ見ると、ホンダ純正オイルのG1とG3は10W-30で、G4は0W-30です。ホームページでG1とG4の比較がありますが、低温側ではG1の方が粘度が高く、高温側ではG4の方が粘度が高い。G4の方が粘度変化が少なく、高温でも粘度と油膜を維持できててタレないので、「ローフリクションかつ高性能」という評価ができますね。

ホンダオイル2
ホンダオイル1

ただ、フツーに使ってる限りF6Bのエンジンがそこまでの油温に到達することはまぁないわけですよ。気温40度近い夏場の長野県松本市で渋滞ハマって、私の方はシャツを水浸しにしての強制水冷でなんとか暑さに耐えてた時も、F6Bの水温計は3分の2くらいのところで完全に安定してましたからね。油温も100度以下だったんじゃないでしょうか。

ところが同じ環境でもハーレーだと油温120度くらいまで上がり、現行車種でも安全装置が働いてあっさりエンジン止まります。そりゃしょうがない。渋滞で風が当たらないときの空冷エンジンなんて、冷却液がなくなった水冷エンジンのようなものですから・・。

遙か昔の冷却性能が低いバイクならともかく、巨大ラジエターを左右にドーンと配置し、ホラ貝のようにやかましく鳴り響く大型ファンによって強制冷却するゴールドウィングで100%化学合成のG3が油膜切れを起こすような事態に遭遇することはまずないはず。

ということで、私の出した結論はG3で十分。F6Bのプライドが崩壊して、泣こうがわめこうが知ったことではない。G3の方が安いし、油膜保護もG3で十分だし、低回転でじっとりしたトルク欲しいんで、油温が低いところであんまりサラサラじゃない方がいいと思う。

高回転をギャンギャン回したいならスルスル回転が上がりそうなG4でしょうが、一定回転でステイする巡航時の味わいが持ち味のゴールドウィングにローフリクションオイルは逆にマッチングが悪いと判断しました。

あと、ゴールドウィングの開発における想定粘度は絶対にG1,G3の粘度特性だと思うんですよね。F6Bのキャラ設定的にもここは「奥ゆかしさのG3」を私は選択したい。

F6Bオイル交換・涙2
(オイルを排出しながら、悲しみにくれるF6Bの図。アニメのジャイアントロボでロボが目から冷却水を涙のように流すシーンがありましたが、粘度の高いオイルを目から流すとこんな感じかなと。実にシュールですね。)

余談ですが、ホンダの最高級オイルG4は粘度が0W-30ですが、これちょっと意外でしたね。私、G4はてっきり粘度40だと思ってたんです。だから、ブログの初期案は「粘度違いだから入れねーよ!」ってオチにしようと思ったんですが、調べてみたら高温側はG3と同じ粘度30で、「はれぇ~」ってなって、ブログの内容を変えざるを得なかったんです。ホンダさん、予想外のことやめてくれます?

一般的な水冷エンジンは騒音や燃費などいろんな配慮でピストンクリアランスを詰めて、低粘度の30を入れていくんですが、高回転型のエンジンはフリクションの低減と熱膨張を考慮してピストンクリアランスを広めにとるんで、粘度高めで分子大きめの40を入れることが多いんです。実際カワサキやヤマハは高回転用高性能オイルに粘度40を設定してますんで、ホンダの低粘度設定はちょっと意外でした。

まぁ高性能オイルの高粘度指定ってのは、「油温が高くなり粘度が低下してきたときにも、しっかり油膜を維持するように」ってことですので、油膜さえ問題なければ、フリクションが少ない低粘度の方がいいわけです。ホンダのG4の粘度30は油温管理や油膜維持に対するホンダの自信のあらわれかもしれませんね。

ということで、まずはセンタースタンドを立てます。一時はセンスタかけられなくて、もうダメかと絶望感にさいなまれましたが、前回のブログでタイヤを新品に替えてようやくセンスタをかけられるようになりました。今はもう鼻歌まじりで楽勝にかけられちゃう(笑)。やっぱ整備するときにはセンタースタンド欲しいですよね~。自分で整備を・・という方は是非オプションでつけましょう。

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(まずはセンスタをかけ直立させます。これで作業効率が爆上がり。)

ゴールドウィングのサービスマニュアルにはオイル交換の前に「フロントロアカウルを外せ!」と書いてあるんですが、これグロメットで止められてて外すのがクッソ面倒くさいんですよ。でもご安心を。外さなくてもオイル交換はまったく問題ない程度の隙間が空いています。サービスマニュアルは「小便をするのに服を全部脱げ」と言ってるようなもの。そりゃ確かに丸裸になれば由緒正しき小便小僧スタイルになるのでしょうが、ズボンだけおろせばいいじゃねーかと。外さなくても良いモノは外さない。それがバイクを壊さない秘訣です。

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(ドレンボルトはこれ。下ではなく横向きなので作業が楽ですねぇ。)

ちなみにゴールドウィングのドレンボルトとオイルフィルターは、オイルパンの前面のココ。そんなにやりにくいところじゃないんで、オイル交換に関しての整備性は悪くありません。

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(オイルを出してます。まだそこまで汚れている感じじゃないですね。)


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(右側のエンジンサイドカバーを外すとオイルキャップが出てきます。)

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(オイルキャップを外したところ。)

とりあえず、ドレンボルトを外します。続いてオイルキャップの蓋を開けて空気を入れてオイルが出やすくしてやります。開けた途端オイルがドドドって廃油トレーに流れていきますねー。あー気持ちいいわ~。

F6Bのオイル&オイルフィルター交換時に必要なエンジンオイルは約3.7L。CB1300SFが4.0L、カワサキのH2が4.3Lらしいので、1800cc6気筒で3.7Lはお見事。少ないオイルでも油温が安定してるのはツインラジエターの冷却性能ゆえでしょうか?ここでも優等生ぶりを発揮してますねぇ。

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(オイルフィルターレンチをラチェットに連結したところ。)

次にオイルフィルターを外します。フィルターも純正品を使います。ハーレーと違ってかなりきつめに取り付けられているんで、握力バカの怪力ゴリラでもさすがに手で回すことは不可能。無理せずオイルフィルターレンチで回しましょう。

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(フィルター交換はフィルターレンチさえあれば造作もない作業です。)

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(新しいオイルフィルターの周りにオイルを塗ります。これで固着を防止できるわけです。)

オイルフィルターが外れたら、新品のフィルターのゴム部分にオイルを塗って指定トルクで取り付け。トルクはトルクレンチで2.7Kgf-mでキッチリ管理します。

オイルフィルターの取り付けが終わったら、ドレンボルトをパーツクリーナーで洗浄し、新しいワッシャーを噛ませて取り付けていきます。

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(パーツクリーナーで油分を洗浄し、この旧いワッシャーを外して新しいワッシャーをセットします。ハーレーのように「ドレンボルトにシールテープを巻く」などという前時代的なことをしなくてもまったく問題ありません。)

なお、オイルフィルターやドレンボルトを取り付けるときは、最初に指で少し回して、ネジ山に対して正しくまっすぐ入れることを絶対忘れてはなりません。

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(ネジは最初は絶対手で数回転捻じ込んで下さいね。)

指なら斜めに入ったときにわかりますから。大体素人整備の大失敗ってのはボルトをナメちゃうこととボルトを斜めに入れてタップを破壊しちゃうことです。ボルトをナメるのはトルク管理ができてないからだし、タップを破壊するのは最初の数回を手で回さず、いきなりラチェットで回しはじめるからです。まず素人整備はこの2つをなんとしても防がなきゃならないわけですね。今回のドレンボルトもまずは手で数回転捻じ込んで、後はトルクレンチで規定トルク3.5Kgf-mをキッチリかければ何の問題もありません。

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(ずらり並んだホンダのG3。4本で7000円ほどする。AmazonでG1の倍の価格。さすが100%化学合成、いい値段してます。)

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(オイルを入れます。こぼさなければどうということはない。オイルジョッキがあると便利です。)

あとはオイルを規定量入れるだけ。ホンダG3を4本用意してオイルジョッキで1リッターずつ入れていきます。規定量入れ終わったら、最後はオイルキャップをはめて、軽く暖機し、オイルレベルをチェックして終了。これを正規の価格でやると、オイルやフィルターは定価になりますんで、これだけで2500円くらい違います。あとは交換工賃が1600円くらい。約4000円が浮くわけですね。

この4000円の差でG1からG3にオイルがレベルアップできるということになる。

ただ、私は昔バイク屋の店員だったんで自分のラチェットは持ってたし、親父が鉄工所やってたので、工具だけはたくさんあるんでいいんですが、良い工具って高いですからね。メンテに必要な工具や機材を有名メーカーで揃えると10万~20万円くらいすぐいっちゃいます。

自分で整備する方が安いっていうのは、工具があるって前提です。わざわざ工具を買うのなら、オイル交換だけじゃなく、カスタムしたり、いろんなメンテを自分でやらないとコスト倒れになる。「メンテもバイク趣味の一部である」って考えてる以外は、バイクショップに整備に出した方が安いかもしれないですね。