「あれ??」「え?」「どうして??」

昨日、鍵をあけて右のサイドバニアを開こうとしたら、ん??

「・・パニアを開けるステーの手応えが全然ない・・・」

この感覚は旧型ゴールドウィングのオーナーならおわかりになると思いますが、ゴールドウィングはリアのストップランプの上あたりにサイドパニアのキーがあり、キーがかかっている状態では、サイドパニアをオープンさせるステーが空回りしてパニアの蓋が開かない構造になってます。

キーを右に回し、ロックを解除するとようやくステーに手応えが出て「パカッ」とサイドパニアが開くんですが、現状はキーでロックを解除してもステーが全然かみ合わないスカスカ状態。つまり「右のサイドパニアの開閉機構が死んじゃった。」んです。

とは言っても

「をいいいいいいいいい!!ここには今日返却予定のレンタルDVD、熟れた団地妻夜泣き行脚シーズン5が入っているんじゃぁああああああ!バニア開かないと、無期限延滞状態になっちゃうよ。これメッチャ恥ずかしいよね!どんだけ団地妻好きなんだと思われるよね!!ねぇ、これ一体どうしてくれるのォォオオオオオオオ!!」

って頭を抱えて転がりまくるような大惨事にはなっていないのでご安心ください。

実はそういう恥ずかしいモノが入っているのは大体いつも左のバニアで、右のバニアあんまり使わないんですよね。オーディオ用のUSBメモリも左のサイドパニアの方についてるし、ETCもこっちに取り回してる。なにより、私の車庫ではゴールドウィングを向かって左側に止めてるんで、右バニアを開けにくいんです。そんな事情で、幸いにも右バニアには特段何も入っていなかった。ここら辺は不幸中の幸いでした。

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(車庫の中のF6B、こういう風に入れているので、右側にスペースがなく、右のバニアはあまり使わない。)

でも、これツーリングの出先なんかで発生したらメチャクチャ困るトラブルです。ゴールドウィングでキャンプツーリングをしているキャンパーの場合、夕方にスーパーで買った焼き肉用の牛肉や野菜などが右バニアにぎっちり入っていたりするかもしれないのですよ。ここでバニアが開かなきゃ、晩飯がなくなっちゃうし、ずっとそのままなら中で腐って、ハエや得体の知れない虫たちがバニアから湧き出てくる猟奇的世界になっちゃう可能性もあるわけです。

「俺のバイクは異臭がするぜ!!道の駅では人だかりじゃなくてハエがたかるのさ!!!」なんて、ブログのネタには良いかもしれませんが、リアルでは単なる悪夢。バイクはコーナリングで曲がっても鼻が曲がってはいけない。異臭バイクになってはならない。ゴミ収集車の様な甘い臭いを発するフラッグシップなんて、この世に存在してはいけないのです。

昨年ダイナのエンジン異音で38万円を強制徴収され、スマブラでいうと「画面外まで吹っ飛んだ状態」となり、まだバトルステージに全然戻ってこれてないのに、「またトラブルかぁぁあああ!!もうバーストして死んじゃう!」って感じです。

前回のダイナのエンジントラブルは自業自得ですが、今回のトラブルは完全にホンダの品質問題。だって右サイドパニアなんて購入してからほとんど開け閉めしてないんですから。負荷なんてほとんどかかってないんです。

このF6Bは2013年の製造なので、初年度登録からはや7年が経とうとしてるんですが、パーフェクト室内保管で、金属部分の劣化については、まだどうのこうのいう時期ではないはずです。

そもそも何年経とうが「収納の蓋が開かない」ってのは絶対にあってはならない。理由は簡単、「大事なモノだからこそ、鍵つきバニアの中に入れている」わけなのですから、それが取り出せなくなっては大迷惑なのです。

箱って基本的に「鍵がない限り外部からアクセスできないから安全」なんであって、鍵開けても開かないんなら、それはもはやブラックボックス。真面目なホンダだからこそ、「これもう終わってるんじゃね??」的な嫌な予感しかしないわけですね。

結果的にバニアの蓋を叩き壊さなければ内部にアクセスできないなんてことになったら、もう右のサイドパニアはこのままハメ殺しにしちゃおうかなぁ、なんて思ってる。だってパーツリストの価格見ると右のパニアの蓋7万円くらいしちゃうんですもの・・。もう悲しみが止まらない(by 本田美奈子)

ダイナ・ショック3
(ダイナを欠陥まみれの糞バイクと散々ののしっていたF6Bに突然訪れた悲劇。人を呪わば穴二つ。「生産品質世界一のホンダ熊本工場産まれだから壊れるはずがないんですよ♡」と愉悦していたF6Bにはアイデンティティ崩壊レベルの大ショック。)

生前、本田宗一郎は、「メーカーから見ると無視できる確率のトラブルでも、買った人にとっては100%なんだ」と言っておられましたが、その言葉が実感として胸に突き刺さる。この世にGL1800は数あれど、私にはこの個体だけで、それが全てなんです。他がいかにノントラブルだろうが、私の愛車が壊れちゃったら他の個体の故障率の低さなど、単に私の運の悪さを逆証明するだけの忌々しい事実にすぎないんです。

本田宗一郎の凄いところは、「そういう顧客にとって当たり前の真実を、当たり前にわかっていたこと」であり、「もの作りにおいて、自己都合のメーカー視点でみるのではなく、顧客の目線を持っていた」点です。技術者って天才になるほど、独善的になり、技術を追求するあまり、顧客を置き去りにして独走するエゴイストになっていくけど、彼は顧客を置き去りにはしませんでした。

昔のホンダはそんな本田宗一郎の気質からでしょうか、「ホンダオーナーに絶対恥はかかせねぇ!」って作りでした。合理的で丁寧で、整備性が良く、乗ってて超安心だったんです。私のバイク遍歴はホンダ一筋ではまったくありませんが、そういう認識のもとで、ホンダとはお付き合いしてきていることは間違いない。しかし、いまのホンダはそういう顧客目線から経営側の視点にシフトしている。

ホンダドリーム店での専売制なんかはその最たるものです。別にドリーム店専売にするのは私は悪いことだと言っていない。しかし、もしそうするなら、各都道府県に一つはドリーム店を確保してから行うべきでした。既存顧客から100㎞圏内に正規販売店をおかないっていうのはその地域を切り捨てたに等しい。

・・・ただ、こういう地方切り捨ては流通の世界じゃしょっちゅうありますね。

ある商品が一定程度成功し、高額路線に舵を切ると次に来るのは店舗の絞り込み。高額商品ってのは希少性も大事ですから、大根を売るようにどこでも売ってちゃいけないってことになる。商品が高額化すると、地方の所得レベルと顧客層もズレてきますので、店舗が地方から撤退して高所得者の多い都市部メインにシフトしちゃう。

地方にドリーム店をおかないっていうのは、「今後は地方在住のライダーの財力では、251cc以上のホンダ車は売れんでしょ。」って言われてるようなもんかも。まぁあたらずとも言えど遠からずなのかもしれませんが。

私自身も日本のバイクが生き残るには、店舗集約方向しかないんだろうと思ってるし、しょうがないという気もしている。ただちょっと違和感があるのは、ホンダはスゴイ商品を連発して、顧客に対して優位に立てるメーカーになったわけじゃないんですよ。いや、今年のCBR1000RRは久しぶりにスゴイと思うけど、それでもホンダの価値なんて私の中では昔からほとんど変わってないし、逆に尖ったところがなくなって、外国車やカワサキに押しまくられているんじゃないかとすら思うんですよね。そんな中で、「これから高額路線にシフトするんです!店舗絞るんです!!」って戦略を打ち出しても、「それ攻めの戦略っぽくみえるけど、現実には撤退に他ならないよね。」って感じられて、どうにも響いてこないんです。

まぁホンダがどういう販売戦略をとろうとも、私自身、そんなことで喜んだり悲しんだりはしません。私は基本的に何が起こっても受け入れちゃうし、正直どーでもいいんです。文句たれたって見解の相違なんて絶対に埋まらないし、それが成功だったか失敗だったかは私が判断することじゃなく市場が結論を出すことです。

メーカーなんて所詮他人だし他人のやることに興味もない。雑誌でどんなに美辞麗句を並べられたところで、結局のところ信用もしてない。この世の中でより効率よく利益を上げたければ、非効率な地方を切り捨てればいいのは明白。これから地方で生きるっていうのは、「いろんなモノが失われていくことを受け入れる」ってことなんです。

ただ、そういう現実をわかっていても、あからさまにそういうそぶりを見せられると面白くない。どんな素晴らしいバイクを出したとしても、買えないんじゃ酸っぱいブドウです。こういうことが続いていくと。メーカーの判断に対して、「ふーーん」ってつぶやくだけの無感動の割れ鍋状態になっていく。

・・まぁ無感動っていっても、こういう「効いてないアピールってのは実は地味に効いてる」ってのがお約束なんで、皆さん笑って私の愚痴を受け流してくださいね。

とりあえず、リア部分をバラして、何が原因なのか見てみてみるつもりですが、右のバニアはほとんど使ってないので、あんまりモチベが上がんない。まーヒマ見てボチボチやろうと思ってます。