近年有料のキャンプ場が増え、無料のキャンプ場がどんどんなくなりつつあるようです。

私がよく行くキャンプ場のおじさん曰く、それはほとんどが「ゴミ処理の問題」だとのことです。

昔はキャンプは一部のマニアのものだったので、「キャンプ場を皆で綺麗に使う」という共通認識があり、利用者がゴミを拾い持ち帰ったりしていたので、無料でもキャンプ場を維持していくことができたそうです。しかし、今はそれができない。

「客層も変わり、ファミリーキャンプが増えてねぇ・・ゴミを持ち帰るという感覚がないんだよねぇ・・、ゴミ処理、清掃のコストが増えて、無料ではやっていけなくなっちゃったんだよねぇ・・。」

というようなことを、キャンプ場のオジさんが私の横で、これで30分くらい語ってる・・。なんなんだこれは・・・。

朝起きて、ぼーっとコーヒーを飲んでた時にサイト見回りのおじさんがやってきたんで、「おはよ~ございま~す」って笑顔で声を掛けたら、そのオジさん、私の横にどかっと座って、如何にいまの客層が酷いか、自分が苦労しているかを延々と愚痴りだしてしまったわけです。私はいつも一人だし、外ヅラもいいんで話し相手に丁度いいと思われたのか・・・、うーん。ちょっと不用意に声かけすぎたかなぁ。

私はオジさんの愚痴を「はぁー・・そうですか・・大変ですねぇ・・」なーんて、にこやかにうなずきながら聞いていたのですが、

「んなこと言ったって、もう有料じゃないの」

「オートサイト一泊4000円も取ってるじゃん」

と心の中ではつぶやいていました。まぁオジさんはこれまで、県からの細々とした補助金で無料キャンプ場を維持していた良い人なのはわかるし、言ってることも理解できるんですよ。でも心の中では「いや、そうじゃないだろ!」って感覚がぐるぐると渦巻いていたんです。

私からいわせれば無料キャンプ場なんてものが、いつまでも成立していることの方がおかしい。無料なんて「一定の犠牲」「自治体の補助金」があってはじめて成り立つもので、生き馬の目を抜く世界で生きている事業者からすると、夢の中にある「桃源郷のようなもの」なんです。

マクドナルドだって無料なのは「スマイルという表情筋の動き」だけ、それ以外は全て金を取るわけで、それが当たり前です。だから私は有料は全然悪いことだと思ってないし、無料はある意味「責任を取る自信がないってこと」だと思ってる。

キャンパーの中にも有料にした方が安心して利用できるという人も多いんじゃないでしょうか。実際そのキャンプ場は一番価格が高いとこから埋まっていくんですよ。夏場なんてオートサイトはもう満杯。(私はバイクだからフリーサイトの隅っこでキャンプするんで全然関係ありませんが・・。)

足組み7+1
(私みたいに景色見ながら酒飲んで寝るだけの宿六キャンパーにマナーを説いてもしょうがないわけですが、ソロキャンパーなんてキャンプ場では完全な空気です。キャンプ場が困ってるのは多人数でわーっと騒ぐタイプのキャンパーですよね。ちなみに私がやるソロキャンプは料理を作らないので、焚き火の灰以外、ゴミが全く出ません。キャンプ飯はカップヌードルカレーとツナマヨおにぎり2個が定番。後はホント酒飲んでるだけ。)

昨今「キャンパーのマナーが低下した」と言われているのは、キャンプブームで初心者が増えたからであって、それは「業界に明るい未来が見えてきた」ということでもあるんです。少子化のご時世、キャンプ場を運営し続けようとすれば、ビギナーや新規参入者をしっかりと確保していかなければなりません。

全ての業界が時代とともに移り変わる客層にあわせて変わっていかなくてはならず、キャンプ場とて例外ではないわけです。ゴミ処理のコストがかかるのなら、そのコストはキャンプ料金に転嫁し、利用者に負担してもらって、清掃サービスを向上させる。そしてまた客を寄せ、それでキャンプ場を魅力的なフィールドに整備していくという好循環を生み出さないと、事業として長期にわたって成立していかない時代になっていると思います。

そして既に一部のキャンプ場は「利用者側から見て、それを行っていただくのが当然である」と感じるような料金体系になっちゃってるんですよ。

そういう状況を棚に上げて、「最近のキャンパーはマナーを守らない」とこぼすのは私に言わせれば完全な甘えです。「山奥で車1台分プラスアルファの場所を一日提供するだけで4000円も払ってくれる人たちに、一体全体何の文句があるのか?」

私は「有料事業化した時点で、顧客に対する苦情は原則封印するべき」だと思う。文句あるんなら契約解除して金返すか、相応の価格に上げるか、初心者お断りの看板上げるかのいずれかにすれば良いんです。「いい値段の料金を支払った顧客に文句言うなんてどんだけ顧客に甘えているの!顧客にはまず感謝でしょ?」って同じ事業者としてツッコミたくなるし、有料サービス事業として運営してるのに、「いつまで無料の頃の感覚でやってんの?」「サービス業として気持ちを切り替えるべきでしょ?」なんて思っちゃう。

キャンパーは修行僧じゃない。私のようにコットに寝っ転がって酒飲んでるだけのヘタレもいる。誰しも初めはテント張って泊まって無事家に帰るだけで精一杯。余裕なんてないんです。今はボーイスカウトなどのキャンパーを育てる環境自体がなくって、キャンプを題材にした漫画や雑誌に知識を依存してる状況です。キャンパー教育を他人任せの丸投げ状態で放置したまま、キャンプ場を「運営側の理想に染まった客」で満たそうなんて無理がありすぎる。

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(私のお気に入り、石川県珠洲市の見附島オートキャンプ場。ん~絶景。海に横づけと言わんばかりのとこにテント張れるのが売り。バイク用フリーサイトは1500円。ちなみに今回の話はこのキャンプ場での出来事ではありません。)

事業者は裾野を広くしてオープンに対応するのか、客を絞って特別な閉鎖空間を作るのかを選択し、それに応じてスタンスを変えるべきで、「広い客層を取り込もうとしながら、高いモラルを求めていく」のは矛盾です。

今やキャンプ場は自然との共存を学ぶ学習の場ではなく、大自然の中での体験を顧客に提供するアミューズメントサービスであり、極論すれば「ドンペリを開けて客をもてなすキャバクラ」と同じ地平に立っちゃってるんです。

「いやそうじゃない。キャンプとは本来そういうものじゃないんです」と反論するキャンプ場経営者もいると思いますし、私自身の意見も極論なのは重々承知ですが、一定の考えを顧客に押しつけること自体がもう「顧客目線じゃない」んです。消費者って大海原の魚みたいに自由に泳ぎ回るもので、それを事業者側の都合に染め上げられるなんてのは「見当違いも甚だしい」

私は人の善意をあてにする商売などはしません。私自身、だらしなく、どうしたらもっと楽になれるだろう?と始終考えている生き物だから。そんな人間の気持ちになって、顧客の自由をあるがままを受け入れて、アミューズメント型のサービス業としてキャンプ場を運営した方がキャンプ場もキャンパーも幸せになれると思ってる。「キャンパーはこうでなきゃいけない、こうであるべき」なんて、求めすぎると不平不満の渦になっちゃうだけです。

相変わらず、好き勝手なことを言いまくってますが、私の言いたいことはシンプルで「事業者は顧客に多くのモノを依存するな。」ってことです。「顧客を変えようとするんじゃなく事業者が顧客にあわせて変わらないと未来なんて絶対ない。」

私のブログを見て「アンタ消費者を絶対に悪く言わないよね。消費者を甘やかしすぎなんじゃないの??」という商売人もいるでしょうが、「消費者は消費するだけでそれ以上の義務を負う必要はない!消費してくれるだけで神様だ!!」というのが私の持論で、それは絶対に間違っていないという確信がある。私は基本的に客の味方で、金取ってる方にはメチャクチャ厳しい。だっていまの世の中、消費者より「金貰ってるプロのほうがわがまま」だったりするんですよ。そんなのはどう考えてもおかしいだろ??っていいたくなるんです。

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(これ夜です。テントの入り口からこんなのが見えちゃうんですよ。もうたまらないですね。)

「うるさいなー。マナーのない奴は嫌なんで新規顧客は求めない。これまでの常連だけ来てくれればいい。」というのであればそれはそれで評価します。その路線を貫き、自らの信念の下、衰退を受け入れるのも事業者としての在り方。そういうの私は好きですし、その気骨に尊敬もします。

しかし、収益向上のために新たな顧客を求めながら、顧客の質に注文をつける態度はおかしいといいたい。有料化して広範囲に条件をつけずに集客する以上、これまでキャンパーが負うべきだった、いろいろな責任は事業者側に移ってる。顧客の質を高め、顧客をより良いキャンパーに成長させていくのも事業者の務めでしょうし、当然キャンプ場を綺麗に維持する最終責任は有料化した事業者にあるんで、そこは黙ってガンバレって思う。

今回は、キャンプ場にかこつけて、なんか腹の中から事業者に対する黒いものを吐き出してしまった気がしますが、冒頭のキャンプ場のおじさんの発言に対しては、おそらくおじさんに同情する意見が多いんでしょうし、マナーのないキャンパーに対する非難はやっぱり根強いんでしょう。

だからといって、事業者側がそれに甘えてあぐらをかいていいわけじゃないと思う。その点だけはキャンプ場利用者として主張しておきたいわけなんですね。

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(説教臭くて、内容が美しくないブログでしたので、最後は美しい朝日の画像で。昼は酒飲みながら海とカモメをボーッと眺め、夜は酒飲みながら月を眺め、朝はコーヒー飲みながら昇る太陽を眺める。こんな贅沢なことってこの世にない。ソロキャンプって強行軍さえしなければ、とにかく贅沢なんですよ。時間と景色が全部自分のものになるんです。)