皆さんこんにちは。Yahoo!ブログの閉鎖に伴い、ライブドアブログに移ってきたブログ移民のへっちまんです。Yahoo!ブログの頃の延長で、こちらのブログでもバイクのブログに混ぜて、当たり前のように趣味のガレージキット製作ブログを書いています。

しかし、よくよく考えたらバイクの検索で当ブログに入ってきて下さっている、ほとんどの方が「ガレージキット(以下長いので「ガレキ」と省略します。)を知らないんだろーなー・・」と今更ながら、ちょっと気にしてます。

模型のコミュニティですら「ガレージキットなどよう知らん!」という方が多い中、バイクカテゴリでガレキを知っている人なんているわけがない。そこで今回はYahoo!ブログ時代に私が作ったガレキを紹介しつつ、あらためてガレキってなんなのか?その魅力はどこにあるのか?を私なりに語ってみたいと思います。

完成写真も多数アップしましたが、私は仕事の合間にシコシコ作業する下手の横好きで、私より製作が上手い方はちまたに山ほどいるので、その程度のモノとしてご覧下さい。

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(金の亡者、遠坂凜が搭乗するその名も「ゲットマネー号」。原型製作はcrea modeさん。今勢いのある女性原型師さんですね、露出度が高いのに、あんまりエロさを感じないスッキリした造形です。これまだ製作記未紹介です。)

ガレキっていうのは簡単に言うと、ワンダーフェスティバルやトレジャーフェスタなどのイベントで個人や小規模サークルが製作販売する同人造形作品です。

コミケで販売している同人誌の三次元造形版だと思って頂ければいいんじゃないでしょうか。これを模型に含めてしまうと何か高尚なもののように思われちゃいかねないですが、現状は一部のアーティスティックな作品を除いては、その多くが「萌えフィギュア」です。

そんなガレージキットの特徴をここで挙げてみますと、

特徴その1 完全未塗装、未組み立て

大雑把に分割された白またはクリーム色の部品が、野菜のようにゴロゴロと袋詰めされているだけ。製作者が塗装してようやく完成。模型というより要組み立ての三次元塗り絵に近い。


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(これが初期の状態。最近のレジンはサフレス塗装がしやすいように白いですが、昔のレジンは少し黄色かったですね。)

特徴その2 生産数がとにかく少なく、手に入れるのが至難の業。

販売数が極めて少なく、多くても50個くらい。販売する機会も限られているため、レアキットになると、手に入れること自体がもう戦争。(私がアップした作品は「こんなの見たこともねぇ・・」というものが多いと思われます。)

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(私の持っているキットの中で一番レアかもしれない、アルアジフ&アナザーブラッド。アルアジフ教信者の私は死ぬ思いでゲット。販売元のmilkydollさんは多分20体も作ってないんじゃないだろうか?)

特徴その3 少量生産なのでキット価格は高止まり

8000円程度から高いものでは50000円近くになる。レアキットがヤフオクに出品された場合、競り上がって10万円を超えることもザラにある。もう転売屋さんのおいしいエサ。

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(艦これの大和。艦これ版権は、カドカワの意地悪により1回こっきりしか販売機会がない。つまり壮絶な奪い合いになる。Sakaki Workshop の加賀がゲットできなかったのは今でも悔やまれる。)

特徴その4 素材はレジン、失敗は即、死を意味する。

プラモデルと異なり、素材はレジンという熱変形する樹脂であるため、接着や組み立て塗装にプラモとは異なる特殊技術が必要で下処理や仮組みに相当な手間がかかる。製作に失敗した場合、部品を再注文することなどできず、絶望的な事態に。


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(Yahoo!ブログの頃に書いた、アルトアイネス右足2本事件。要は左足が入っておらず、右足が2本入ってたんですよね。こうなっちゃうと、足を自作するか、適当に辻褄を合わせるしか手段がありません。)

特徴その5 たまに神モデルが生まれる。

市販されてる量産塗装済み完成モデルでは不可能なレベルのシャープで詳細な造形が可能です。特に素材であるレジンは、人物描写、メカ描写共に表現力豊かで、メカと美少女を組み合わせたときに、フィギュア史に残る神作品が生まれることがある。(←私見です)

つまりガレキは

「取得ルート=闇市」「製作=苦行」「モチーフ=異端」

と、もはや「オカルティック邪教」ともいうべきもの。ちょいエロなフィギュアも多いので、模型界の「真言立川流」みたいな存在ですかね。もう完全に異端視されていることは間違いない。

ごくたまにガレキを擁護しようとするあまり、「ガレージキットはアートなのであぁああある!!」っていいながらアーティスティックな造形物を挙げて擁護される方もいらっしゃいますが、私のような雑魚モデラーは正直アートなんて高尚なものを求めちゃいない。

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(ガレキの中でも、ちょっとアーティスティックな闇狐。製作記未紹介。台湾の造形師さんの作品だったと思います。これはこれでいいんですが、作ってるとミリタリー模型と似たような感覚になるんですよね。)

1980年代にガレージキット界に萌えフィギュアが登場するまでは、世のミリタリーモデラーはドイツ兵やアメリカ兵、ロシア兵のニクニクしい尻・胸板・太ももを多数塗装してきたし、それしかなかった。

大規模なジオラマになると、そんな暑苦しいオヤジ達が20体近くも雪崩のように登場してしまう。来る日も来る日もムッハーなオッサンを作り続け、「ストイックな模型道とはそういうもの」だと思い込んでいた。要はバイク漫画で言うと「キリンが全てだ!キリン万歳!」的なノリですよね。

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(一応ミリタリーも作るしガンプラも作るし、帆船模型もスケールモデルだって作れるんです。とへちまは自分を擁護してみる。)

要は「メカと男を塗って男道を駆け上がれ!」と。しかし、そんな「脇の下の臭いフルパワー+男の汗のかほり」な空間造形だけで健全な男子は満足できるんでしょうか?んなわけない。絵のデッサンでも、裸体の若い女子がモデルだから描く気がおきるんであって、筋肉ゴリラがフルチンモチーフになっても、嘔吐してアレルギー性結膜炎を発症するだけ。

「じゃかぁあしししゃあああぁあああ!!ふざけんんなぁぁぁああ!!ナニがメカと男じゃ!!女をよこせぇぇえええ!!美少女を作らせろぉぉおおおおおお!!」

とある日きっと、誰かがキレた。そんな轟く叫びを耳にして、登場したのが「帰ってきたウルトラマン」ではなく「美少女ガレキフィギュア」だったわけです。

初期のVispoさんの「自分モチーフの痛バイクに乗るご本人」というとんでもないコンセプトキットから発せられていた「男+メカはもういいんだ!メカ+美少女こそ至高!」というアンチテーゼ的メッセージに私は後頭部を大ハンマーでフルスイングされ、眼球がスーパーボールのように室内を跳ね回るくらいの衝撃を受けました。

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(アスカの痛車に乗るご本人。Vispo片桐氏の作ったこの衝撃作「アスカR」が私を冥府魔道に突き落とした元凶。ちなみにバイクはレジン素材のNSR50レーサー。製作は地獄。)

いくら漫画が好きだからと言って「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」「子連れ狼」「クライング・フリーマン」「黒騎士物語」しか蔵書がない部屋に閉じ込められたら、人はおそらく発狂します。「めぞん一刻」「みゆき」「きまぐれ☆オレンジロード」など、正反対の世界を知っているからこそ、そんな黒一色の世界は到底耐えられるものではない。(例えが古いですが、これは読者層を考慮したものです。)

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(「バカもん!俺のケツをなめろ!」「教育してやろう」「立ち上がれ!社畜ども!!月曜日だ!!」「私は敗北主義者です」など数々の名言を生み出した黒騎士物語。ミリタリーの世界で知らぬものはないパワハラ用語満載のバイブル。ファンも多く「俺のケツをなめろ」というとんでもない題名のカードゲームまで発売されている。)

模型だって、それと一緒。堅苦しいミリタリースケールモデルだけで一生を終えられるわけがないし、一度、女子の魅力を詰め込んだ萌えガレキの世界を知ってしまったらもう戻れません。人として。

筋肉こそ正義というモデルを作り続けた反動で、美少女フィギュアの可憐な「しり・ちち・太もも」に脳髄を焼かれ、冥府魔道に堕ちてしまったのが今の私。やっぱり男が恋するものは、「メカ」「美少女」なんですよ。それはガルパンコラボモデルや、痛車、メカ美少女の武装神姫、フレイムアームズガールやメガミデバイスシリーズの成功を見れば明らかです。

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(武装神姫アルトアイネス。これはグリズリーパンダさんのガレージキットですが、このプラモ版が猛威を振るってます。美少女モチーフが作りたいって方は、メガミデバイスや武装神姫あたりから入った方がいいかも。)

美少女ガレキフィギュアの勃興は日本のモデラー達が一段階覚醒し、より広い視野を持つようになったから生まれた現象です。元禄文化が風景画から春画に手を染め、有名絵師が春画というエロ絵を量産したように、文化が熟成し、創作が自由になれば人は欲望のままに腐っていく。果物が腐る直前が上手いように、人間の造形物も腐る直前が一番旨い。それは人の本質が基本的に腐っているからです。そして作りたいものを作りきった作品が一番輝いてるんです。

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(こちら、エヴァ新劇場版から真希波・マリ・イラストリアス。とんでもない巨乳。これを保持するためにはどの程度の背筋力が必要なのか?当然Vispo作品。)

そんな、あふれ出る人の欲望に常にタイムリーかつ忠実に寄り添ってきたのがガレキ業界。その結果、今のワンフェスはほとんど「萌えの祭典」みたいになってます。でも「それの何が悪い!」と声を大にして叫びたい。

最近はイケメン男子のフィギュアも増えてきて、ボーイズラブ的造形物が出てきてるのも今のトレンドを反映してる。ガレキは商売っ気が全くないから、TPOや生産性や採算性などで我慢する必要が一切ない。好き放題解き放たれた人の欲望のるつぼからしか「リミッターの外れたもの」は生まれないと思ってます。

結局、趣味って本当に好きになって、上から下まで経験すれば、もう何でも良くなるんですよ。その世界に完全になじんじゃえば、最後は好きも嫌いもなく全部受け入れられる様な気がするんです。私でいうとバイクと模型とコーヒーがこれにあたる。

この3つは30年近くも飽きずに付き合ってきてて、こだわった時期もあったけど、それ通り過ぎて、何でもOKになっちゃってる。丁寧にドリップしたコーヒーはそりゃ最高ですが、正直カフェイン入っててコーヒーの味してりゃなんでもいいし、バイクだって原付だろうがリッターバイクだろうが、オフロードだろうがアメリカンだろうが、そんなの関係なく、2つの車輪で動いてりゃ最高じゃね?って思ってる。

人生も半ばを過ぎ、いろんなものを味わって、辿り着いたのは悪食の世界。注げ満たせよ、黄金の杯。吐けよ下せよ、煩悩の灰汁。この世の真の美味と快楽は、きっと腐臭の先にある。さぁ皆さんも共に素敵な晩餐を!!!



(最後にこの曲を。「人生美味礼賛」。脳噛ネウロのMADですが、歌詞も曲も絵合わせも最高です。)