クリスマスがやってきましたね。この世のアベックは彼氏彼女との聖なる夜に胸をときめかせ、ワイン片手に聖夜の晩餐としゃれこんでいるのかもしれませんが、こっちは年末進行で、小汚い事務所でモンスターエナジーで一人乾杯です。んーーこの世に呪いあれ!!

今回はこの陰鬱なクリスマス残業の現場から、聖なる夜に浮かれる人々の夢を壊すべく、「バイク乗りの視点から、リアルにサンタが存在したときのバケモノぶりを語る」という「空気をまったく読まないブログ」をお送りしたいと思ってます。

そもそもサンタの業務って、基本的に貧乏バイク乗りの定番バイト「バイク便と同じ」なんですよね。箱の代わりに純白のズダ袋にプレゼント詰め込んで、バイクの代わりにトナカイのそりに乗り、深夜から朝の間に荷物を配って回るプレゼント専用の急配便です。

クリスマスプレゼントってクリスマスに届かなくっちゃどうしようもないし、聖人セント・ニコラスのメンツもかかっているので絶対に遅配は許されないのが厳しい。

「プレゼントの遅配=サンタの信用失墜=神への不信=こんな世界なんかいらない=火星12号発射」

という世界滅亡フラグにも繋がりかねない。

時間制限のためか、アニメなどで夜空を疾走するサンタの移動速度を検証すると、「時速200㎞以上は出ている」と推測される。そんな乗り物に、メットも無しで笑いながらの殿様ライディングって・・・

「一晩中寝ないで全世界にプレゼント配って回れ!ノルマを果たせ!」ってのも酷い話なら、家への侵入も煙突からって、もう土蔵破って忍び入る賊と変わらない。だいたい、セコムのホームセキュリティに引っかかることなく、朝、子供の枕元に見知らぬプレゼントがあったりしたら、今時の親は喜ぶどころか震え上がりますよ。セコムの信用も台無しで、サンタの侵入で上場廃止もあるかもしれない。

一方サンタが、不法侵入で逮捕された場合も混沌とした光景になる。「プレゼントをあげるための侵入なんで、違法性はないのよ!」なんて釈明したところで、それが通れば警察いらない。神の使いであろうが馬の骨だろうが、日本の司法は見逃さない。住居不法侵入は完全な犯罪者です。もうトナカイそりで空飛んでるだけで航空法違反なんですから、上空にいる段階でアウト。

サンタの仕事って、今の法律ではもうありとあらゆる点でブラックなんです。労働基準局が腕まくりしてガサ入れしちゃうくらいの違法案件。ちゃんと任務を遂行するには、英国でいうところの「殺しのライセンス」と同様、どんなことをやっても法に触れない、「プレゼント配りのライセンス」みたいなやつが必要でしょう。ですから、サンタクロースがリアルに存在したなら、「プレゼント配布に特化した特務機関のエージェント」って位置づけになるはずです。

そんな謎めいたサンタクロースですが、バイク乗りとしては、まず凄まじい速度で疾走するハイパーチューンのトナカイそりにツッコミを入れないわけにはいかない。

このソリは世界の子供に夢を与えるべく、ビジュアル重視で空力を完全に無視しちゃってる。デコレーションが酷いそりになると「これ霊柩車より空力数値ヤパイよね?」っていう形状です。これを時速200㎞まで引っ張ろうとすると、200馬力くらいは必要なんじゃないでしょうか?

トナカイそりのエンジンは当たり前ですが「トナカイ」です。2頭で引くとしても一頭あたり100馬力。トナカイを馬力で表現してる時点でもう何かがおかしいんですが、それだけの馬力を発揮するこのトナカイは一体なんなの?

聖堂教会のもつ古代神秘学の叡智と錬金術、そして禁断の生体実験により生み出されし超生命体なのか?バオー因子を植え付けられたのか?それともトナカイの姿を模した4足牽引メカなのか?可愛い尻尾の下にある肛門からのジェット推進や反重力デバイスの装備なども考えられる。いずれにせよ、人智を超えたオーバーテクノロジーであることは間違いありません。

一方で牽引されてるそりはどうか。普通のそりは木製でしょうが、時速200㎞も出すと木製ではバラバラになってしまいます。万が一にでも事故があれば、子供達のクリスマスプレゼントが遅配になるので、コストを投入して、より強固な車体に仕上げる必要がある。

クラシカルな雰囲気も重視するなら、サンタのそりはクロームモリブデン鋼をパイプフレームでつなぎ合わせ、補強のつっかえ棒を入れた「トラス構造」がベストでしょう。トラスフレームなら形状も美しく、紅く塗装すれば聖夜にも違和感がありません。また、プレゼントをマウンテン積載して危なっかしい挙動じゃ、見ている子供がドキドキしちゃうので、フレームと滑走板の間には「オーリンズサス」を奢りたい。

お次はサンタクロース本人ですが、コイツがおそらく最も条件が厳しい。彼は「200㎞の領域でノーヘル走行を続け、大馬力のトナカイに鞭を振るい、どんな狭い煙突でも通り抜け、セキュリティをかいくぐりプレゼントを枕元に届ける」という、もの凄いミッションをこなせる人材でなければならない。

それを遂行しようとすれば、まずは筋力がなくてはなりません。超高速域を殿様乗りで耐え抜くには、首が安定してないとダメなんで、首回りはもうヘッドブリッジを1日中続けられるくらいの鍛え方が必要でしょう。立ち乗りで体を維持するための背筋もいるはずですし、暴れ回る100馬力のトナカイをたづなで押さえつける腕力や握力も凄まじいはず。メットの代わりに頭にかぶっているサンタ帽は、ぶっ飛ばないように「おでこの皮膚に医療用の糸などで縫い付ける」必要があるし、目も、超高速でも涙目にならないよう、特殊な処置を施してるに違いない。

超高速域では相当な肺活量がないと空気の流速に負けて酸素の取り込みもできないので、マックシェイクを3秒で吸い尽くすくらいの肺活量も欲しいところ。

そして最後はなんといっても寒さに耐える鋼の精神力。なんせプレゼント配りは12月25日の深夜、上空の気温は氷点下。そこをトナカイそりで時速200㎞爆走するとなると、体感気温はマイナス20度以下になるでしょう。アポロ13号では暖房が機能しなくなったとき、寒さに耐えるためにモルヒネが常備されていたといいますが、おそらくサンタも寒さに耐えて笑顔を作るために、なんらかのトランス系薬物を摂取していると思われます。

また、正体がばれそうになったときは組織の秘密を守るため、ショッカーの怪人みたいに泡のように溶けて消滅するくらいのことはイスカリオテ機関や聖堂教会の狂信者なら平気でやりそうです。夢を壊さないって大変ですね。

うーーん。でも、これ全部できる人類って「ゴルゴ13のデューク東郷」くらいしか思いつかないですね・・・。

つまり、結論から申しますと、私の考えるリアル・サンタは

「生態実験の末に生み出された100馬力のトナカイが引っぱるトラス構造のソリに乗り、トランス系薬物をたっぷり摂取したデューク東郷のクローン」

ということになります。長々と書いてきて、「は?なんなの?このクソのようなオチは?」ってお叱りを受けるかもしれませんが、これはもうしょうがない。

だって、私は今不幸のどん底にいる。ブログって基本気晴らしなんですが、深夜残業で気が立っているときにする気晴らしなんて、結局は憂さ晴らしなんですよ。もう毒電波しか発信していません。ですから、書いてる内容もメチャクチャ。前回のCBRのブログも読み返すと異様にテンション高くて恥ずかしいです。

サンタ3
(自分で描いておいてなんですが、なんと雑なカラーイラストでしょうか。メイドコスプレさせてるF6B子にサンタコスをかぶせるというお粗末さ。なお、この壊れたサンタは、今の自分の映し鏡か?年末進行に呪いあれ!ハレルヤ!!)

ということで、今回のブログは聖なる夜の深夜に、呪いに満ちた仕事場からお送り致しました。皆様良いクリスマスを!