そろそろヤフーブログも新規ブログ開設ができなくなるようですが、なんか移行準備が遅れているみたいですね。私自身は無料のフィールドで駄文を書き散らしてきただけですし、どっかに移行するのも面倒くさいので、全てのブロガーが総員撤退した後、航空母艦「飛龍」艦長山口多聞のように一人帽子をくるくると振って、「ヤフーブログと共に電子の海に沈没していこうか」とも考えてるわけですが、とりあえず現状ではやれるところまで更新していきたいと思います。

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(山本五十六の後継者とも言われていた山口多聞、なんと平野耕太のドリフターズに登場し、その才能を遺憾なく発揮してます。)

私は以前から新型ゴールドウィングの感想をブログにしたためておりましたが、ちゃんと結論を出すことなく、放りっぱなしにしてありました。発売から約1年が経ったわけですので、一人の旧型オーナーとして新型に対する現段階でのスタンスと評価をしておこうと思います。実は私、遠方の試乗車があるディーラーまで250㎞を走破し「新型は既に試乗している」のですが、今回は新型の試乗インプレッションではなく、「現時点で買い換えを検討するかしないかの私なりの結論」だと思って頂ければ良いでしょう。ほとんど独り言で、多分誰の参考にもならないと思いますが、ご容赦下さい。

まぁ結論から言っちゃうと、「当面今のF6Bに乗ることになるかな~」って感じです。

なんでもかんでもダボハゼのように食いつくので、自らを「欲しの王子様」と呼んでいる私ですが、今のところ「新型に乗り換えよう!」という気持ちにはなっていません。最近F6Bは「買い換える必要などありませんよ!まだまだ走れます!!」と言わんばかりに絶好調。つまり、私としてはF6Bにそのまま乗ることを選択すれば出費ゼロ。新型を選択すれば、F6Bを手放して173万円近い追い金になっちまうわけで、この差額がまずデカい。

そんな金があれば、F6B持ったまま、「シャア専用ルピナス☆ロボ」を購入し口から「はにゃーん」と悦楽の唾液を垂らしていた方がいいと考えてしまう。

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(これがシャア専用マッサージチェア、その名も「シャア専用・ルピナスロボ」。私が今一番欲しいアイテム。まるで薄い本に出てくる拘束スケベマシンのようなたたずまいはただごとではない。ケーズデンキで実機を体感し、一瞬で心を奪われました。私は大量のテキストを打つため、肩コリが「もう殺して・・」と言いたくなるほど酷いんですが、このルピナスロボのもみ心地はヤバいの一言。これでは新型ゴールドウィングより「F6B+ルピナスロボ」に心が動くのはやむを得ない。)


「お前には新型ゴールドウィングに対する愛はないのかっ!!」っていう方もおられるでしょうが、実は私はゴールドウィングという車種名に「特段の価値」は感じておりません。これはハーレーも同様。私にとっての価値はその時々に発売されるモデル単体に宿っているもので、モデルチェンジして「よし!次は別のバイク行ってみよー!!と結論づけたモデルは枚挙にいとまがない。特定銘柄のファンになるという発想がそもそもないし、特定メーカーのファンでもないというゴルゴ13のように冷たい男なのです。

SC47の発売価格は当初300万円でしたが、マイナーチェンジしたSC68は世界最高峰の製造クォリティを誇る熊本工場に製造移管となり、さらに価格が大幅ダウンするという喜びのダブルパンチ。しかもこのSC68から多くの装備を取り外し、素の状態にした初期型F6Bは、な、なんと200万円を切ってしまうという「どうしてこうなったのかぁ!!買うしかねぇぇ!!」と叫びたいほどのお買い得車。これに対し新型のSC79はSC47の発売時の価格にほぼ戻り、F6Bよりベース価格で70万円お高くなった。ゆえに買い換えにあたっては新型にF6Bの下取り100万円を差し引いた、170万円を超える巨額追金分の価値があるか?という点につきソロバンはじいて検証することになるわけです。

しかも、こういう検証をしだすと、ゴールドウィングって非常に厳しいバイクなんですよね。なにせ全てのモデルの完成度が高い。新型も新機能満載で頑張ってる訳ですが、これまでブログにも書いてきたとおりSC47も熟成を極めた結果、ほぼ完成に達したバイクで、F6Bにこれといって文句も不満はないわけです。

「不満がほとんどないのに乗り換えるのか?」っていうとフツーはないんです。結局趣味のバイクなんてのは古かろうが新しかろうが、乗ってみて満足してればそれで十分。経費で落ちないので全額自腹ですし、ハーレーやゴールドウィングは耐久性も高く、相当年数乗れます。たまにツーリングに行くと前々モデルのSC22とすれ違いますが、20年ほど前のSC22に乗り手が満足しているから、今でも現役で元気に走っている訳ですし、もう完全になじんでいてめちゃめちゃ格好良かったりする。

「ハーレー新車販売のライバルはハーレーの高年式中古車」なんて言われますが、ゴールドウィングも新型を売るにあたっては似たような悩みを抱えている車種のような気がします。

車体や機能をスペックで見るなら、新型は非常に良くなっています。素っ気ない着色樹脂のF6Bに対して、塗装品質もかなり高く、見栄え質感も向上してますし、フロントのダブルウィッシュボーンも、マスの集中化も、軽量化も機械の進化としては何ら間違っていない。

しかし、モデルチェンジの方向性を受け入れ、選択するのはモデルチェンジを提案したメーカーではなく、私たち乗り手であります。メーカーは乗り換えさせたいですからいろいろと新機構を採用し、魅力的な提案をしてくるわけですが、私たちは自分基準でそれを必要である、必要でない、ここが良い、ここが悪いと個人の感覚でバッサリ切っていくべきなのです。

なぜなら身銭を切るのは常に我々であり、金をどこに投下するかの決断権限は我々にある。メーカーの提案に同意する必要など毛ほどもない。この取捨選択が緩いと無限に財布から金が出て行く無間地獄に陥り、そこを厳しく見極めていくと、タダのケチなのに「賢い消費者などと呼ばれたりする」わけです。

人の欲望には果てはないわけですが、果てにたどり着いたとしてもそこには天国が広がっているわけではありません。ゴールドウィングはロングツーリング無敵って言われていますが、500㎞走れば普通に疲れます。「1000㎞走っても疲れません!」なんてインプレは乗り手が豪の者なだけ。どこまでの快適性を求めるのか、我々は自分の欲望にも、どこかで折り合いをつけなくてはならないのです。

さて、発売から1年が経ち、新型ゴールドウィングのインプレも沢山でてきています。私も乗りましたが、速いし、ハイテクだし、楽だし、乗りやすい。でも現状の私がバイクに求めてるのは、「癒やしがある」ことと「飽きがこないこと」です。これはまさに消費することを前提に「消費されないものに消費していこう」と決意するという、どうにも矛盾した境地。そして当然のように買い換えない(笑)。

今回のゴールドウィングって凄く多くを求めていてそれを実現している。車体を基礎から設計し直して、乗り味全てが軽く、取り回しも従来より全然軽い。これって何気に凄いこと。これに加えてさらにウォーキングモードで万全の取り回し環境を構築し、DCTの半クラ制御で楽々ライディングも実現。スポーツモードでは従来のゴールドウィングを3速で固定したようなキレキレの走りを見せる。TVショッピングに出してもアピールポイントには事欠かない商品となっています。

SC47出たときも開発者が「これはNSR1800ですぅ」なんて言ってて、スポーツ走行にずいぶん力を入れていましたが、SC79はその路線を踏襲してさらに磨き上げたような方向性です。でも、その軽快感やスピードが「飽きがこない滋味のあるもの」かというと私は今のところそうは感じていない。

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(車庫の中のF6Bとローライダー、この2台が私の車庫に並んで随分たちますが当面この光景は続きそう。)

新型はニューモデルとして登場した時が一番広報しやすいですから、こういう時期はインプレを書きやすいように、各種機能の効果がわかりやすいような味付けにしているケースが多いんです。新型はコンパクトな車体からくる運動性、新型6気筒エンジンのスムーズさ、満を持して搭載したDCT、魔法の絨毯のようなダブルウィッシュボーンサスの乗り心地などがカタログ上のアピールポイントになっているので、現状はそれらの機構を破綻なくまとめあげ、各機能の利点をわかりやすく提示することを重視していると思われます。

ドカティのディアベルもデリバリー時はアグレッシブなスタイリングイメージに合わせ、スピードと運動性を重視してました。しかし、このような設定は試乗のような短い距離ではインパクト十分ですが、日々つきあうにはやはり少々疲れる。ですから、モデルイヤーを重ねる度にこれを修正し、穏やかな設定になっていってる。初期モデルで「ディアベル速えぇーっていうイメージをつけてある」ので、後で多少穏やかにしてもイメージは残るんです。

新型のSC79はスポーツモードでわかりやすい演出をすることで、運動性の向上という部分を際立たせる意図があると推測しています。「そこがホンダの狙いなんですよ。」「ユーザーの要望はファンドライブなので」というところもあると思いますが、私は開発者やマスコミが流すメーカー側の解釈など実はほとんど信じてない。

これは新規顧客開拓のための「初期販売戦略」であり、これから数年かけて顧客とのキャッチボールをしながらの熟成期間に入っていくのだと考えています。

前モデルのSC47も開発当初、ホンダの技術陣は水平対向6気筒のポテンシャルをフルに引き出すため、腕まくりをしてパワー重視のギャンギャン回るセッティングにしていたと聞きます。しかし、アメリカのライダー達から「こんな落ち着かない乗り味では大陸横断できんがな!」というツッコミがあり、トルク感を重視し、おおらかな設定に急遽変更して発売したそうですが、ツアラーに求められるエンジン特性は時代と共にそうそう変わったりはしない。

新型のSC79も同様の理屈から5年後には穏やかで滋味のあるセッティングに変わっている可能性が高いと感じています。ついでにSC47からSC68にマイナーチェンジした時みたいに、取り回し機能などを外して簡素化し、バーゲンプライスになってくれればなおよろしい。

6気筒で1800ccも排気量があれば、ホンダの技術ならトルクもパワーも天井知らずに出せるのはわかりきっていますが、私が購入したF6Bは力を優しく制御しつつ、その余裕を乗り味と人の感覚の同調から得られる気持ちよさに振っているようなところがある。6気筒の初期で優しく、開ければ分厚く力強いトルクデリバリーが人間の感覚によく合うんですね。

でも初期型のSC47がここまで素敵な調教だったかは私にはわからない。おそらくSC47が発売されてからF6B発売までの12年間の歳月がこのような調整を可能にしたのかもしれません。いずれにせよ、私がF6Bを評価しているのは、人の感覚にシンクロした調整部分にありますから、新型が新機能の特徴を強めに出してきている現状を見ると「まだ様子見だなぁ」と感じるところなのです。

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(我々が購入するのはバイクだけではありません。アパレルも買うし、ガチャも回すし、車も買うし、シャア専用ルピナスロボも切に欲しい。とにかくあらゆる商品が最大限魅力をアピールしてくるのが消費社会。何を購入し、何を我慢するか?生活必需品でない以上、バイクのライバルはバイクだけではないということなのです。)

ハーレーのミルウォーキーエイトのモデルチェンジでも感じましたが、進化というのは、過去の何かを切り捨てる行為です。新しいものを生み出すときに過去の何かを否定し、新しく何かを積み上げる。しかし、過去というのは長い時間軸の上で積み上がったものですから、過去を捨てるということは長きにわたって支持されたものを新生のために切り捨てることでもある。それが革新と呼ばれるわけですが、その結末を評価するのはメーカーではなく乗り手です。

それでは新型が切り捨てたものは何か?それは前モデルにあった異形感でしょう。
新型からは、SC47が身にまとっていたツチノコみたいな異形感を感じなくなりました。SC47は、6気筒を積むためにシロナガスクジラのように大きく長く、まともなバイクでは飽き足らなくなり、どこかに極北に至ってしまった者達が選択する「変態バイク」でしたが、新型はおそらくこのような「変態バイク」の称号を得ることはないでしょう。それくらい変態度が低いスタイリングと乗り味になってます。

荷物の積載量など、バイクには本来存在しないはずのものを盛れば盛るほど異形になり、バイクらしさから離れていきます。逆にそれをあきらめればスタイリッシュになり、バイク本来の形に近づいていく。しかし、もともとゴールドウィングやウルトラは、旅するために必要な積載量を確保し、必要なエンジンを積んだ上であの形になっていたはずです。それ故その異形には必然性がありました。

私はそもそも積載性を重視しておりませんが、それでもF6Bの側面のバニアケースには助けられています。しかしながら、縦型の箱は思った以上に物を入れづらいし不便。そう考えるとツアラーの積載性の評価の大部分が「リアトランクの容量」なのです。そこにありとあらゆるものを雑にぶち込んでこそのツアラー。今回のゴールドウィングツアーのスタイリッシュさはリアトランクの積載量を犠牲にしており、それが支持を得られるのか興味深く見ています。

新発売のSC79は私のF6Bに比べると、新技術満載で凄く可能性を感じる。しかし「まだまだ新人さんだから。これから成長していってね。」っていうのが現状の私の評価になります。伸びしろは相当ありそうなので、あと5~6年すれば、落ち着きも出て、全体的な走りの質感の統一も進み、フラッグシップとして大きく育つ気がします。今はまだ引っかかる部分が多くて、乗り換えの意欲が湧きませんが、時が経ち、滋味が出てくるのをF6Bと共にじっくりと見守っていこうと思っています。なんせ私6気筒大好き人間なんで、6気筒というだけでもう最大限えこひいきしちゃいます。

なお、新型ゴールドウィングツアーの具体的な試乗インプレは、また後日また別ブログで書こうかなーと思ってます。