昨日は久しぶりに15℃と暖かかったので、ダイナを引っ張り出して100㎞ばかしご近所を一回りしてきました。

実は12月の中頃から2月一杯、ダイナはほぼガレージで充電器につながれ冬眠してます。冬場は冷気対策が完璧なF6Bの独壇場ということとで、この時期ほとんどダイナの出番はない。よって遅ればせながらこれが今年のダイナの初乗りということになってます。

私のイラストでも、ダイナはボンテージ風で薄着に描かれていますが、ダイナでの冬ツーは、まさに真冬に水着で町中を歩く感じです。7℃とかになると、ダイナでのロングツーリングは単なる「冷えとの戦い」。ガンダーの冷気攻撃のように吹きつける風を根性で跳ね返つつ、はじめの頃は楽しく走っているわけですが、底冷えが酷くなってくると、冬用ジャケット性能テストの被験者になったような気になってくる。

「赤木博士、そろそろ人体の限界です。生命維持に支障が出ていますが、まだ試験を続けますか?」

「ええ、そうね。ここまできたら、どの程度の体温低下で人が死ぬのか確認してみましょう。へちまくん、まだいけるわね??」

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「いやもう無理に決まってんだろぉぉおおおおおお!!!!!」

というどこぞのアニメの一場面のような幻聴が頭の中にこだましたりする。

バイクはとばすと危ないなんて言われていますが、バイクにとって真に危ないのは「集中力がなくなる」ことと「眠くなる」ことです。車にしか乗らない人は「おいおい、バイクで寝るなんてウソだろ??」とおっしゃる方もいらっしゃると思うんですが、私はたまに参加するマスツーなどで「半睡眠状態で走ってる」ことがあります。これが非常に危ない。眠さに対抗するだけで体力の半分近くを持っていかれるし、集中力もだだ下がりです。バイクでのロングラン自体より、眠るのを我慢するのに疲れちゃう。

歳をとったからでしょうか、最近はメシを食うと急激に眠くなります。昔は「イタリア人はシェスタが習慣」というのを聞いて、「ぶはっ!昼寝?牛なの??豚なの??バカなの?死ぬの??」なんて思っていたんですが、この歳になって体が昼寝を強烈に要求するようになると、「クソッ!!なぜ日本社会には昼寝の習慣がないのか!!俺はイタリアに亡命するっ!!昼寝タイムをくれっ!今すぐ即!!」と逆にキレ散らかしている始末です。

まぁ眠くなるのは、飯を食わなかったり、最悪道の駅でベンチに横になって寝ちゃえばなんとかなるんですが、寒さというのはこちらの意思ではまったくコントロールできないのでそうはいかない。ジワジワと体力を奪われ、集中力も急激に落ちますし、「寒い!死んじゃう!!はやくお家に帰りたい!!でもアクセル開けるともっと寒くなるのっ!ああ、私どうしたらいいのっ??」っていうもどかしさも耐えがたい。

この苦しみが末期になると、道ばたにハーレーを停車させ、エンジン熱で暖をとりながら、体力回復にコンデンスミルクをチューブからベロベロ舐める「妖怪練乳ナメ」に変化していることがある。これはもう人とはいえぬ浅ましい姿であり、私はこの妖怪にだけは変化したくないので、ダイナでの冬のツーリングは原則禁止としています。

「いやこの世には電熱ジャケットという素敵アイテムもあるでしょ?アンタ電熱ジャケット持ってるでしょ?それで走ればいいじゃない?」という意見もあるでしょう。私もそう思っていました。しかし、それは大きな間違いでした。

確かに電熱ジャケットは非常に素晴らしい文明の利器です。これを身につければ零下の気温でも路面状況さえ良ければ全く問題なくダイナに乗れます。しかし、電熱ジャケットに依存した冬ツーには私は大いなる警鐘を鳴らしたい。

それまで、私は電熱ジャケットで冬場イキリ倒していたのですが、ある日山頂付近で電熱ジャケットが機能しなくなり、「生死の境をさまよってしまう」という強烈なトラウマ体験を経験しています。

私が生死の境をさまよう愉悦ブログ「冬物語~地獄変~」はこちら。

特に私のようにソロツーで、人気のないところを好むライダーは、100回のツーリングのうち1回でも電熱ジャケットが故障するようなことがあれば、ホントに凍死に直結します。その1回の体験が心に深く刻み込まれ、もう完全にトラウマ化してしまっているのです。

電熱ジャケットは命を守る超重要装備だと考えると、まだ動作不安定なところがあるように思います。バッテリーの電圧が落ちてくると起動しなかったり、温度の切り替えがうまくできないようになったりで、長距離で命を預けることができるような安定感がないような気がするのです。このトラウマ事案を経て、電熱ジャケットも私の中で封印指定になりました。やっぱり、冬に適さないバイクを補助機能でごまかしつつ無理して乗ろうとするのはリスクが大きいな・・と感じてます。

冬場無双の電熱ジャケットを封印したことにより、厳冬期はバイクに乗れなくなり「ぐぬぬぬぬ・・・・」と身もだえしていた時期に購入してしまったのがF6Bです。えらくとんでもない出費になっちゃいましたが、やっぱり「そもそも風が当たらないから寒くない」という、防寒の基本に立ちかえった安心感は比類ない。

このような事情で冬場にダイナに乗ることはほとんどなくなった私ですが、3月に入り、気温も13℃あたりを超えるようになりますと、質のいいナイロン製防寒ジャケットとモンベルのモモヒキ&ウォームジーンズなら十分耐えられるようになる。

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(銃夢が原作のアリータ・バトルエンジェルを見てきました。銃夢超懐かしいです。映画はとにかく良く動くし、金かかってて、うちの子どもは大喜び。イラストは単にガリィ(アリータ)が描きたかっただけ。ペン入れ面倒くさいので、下絵で上げちゃいました。)

この時期空気も澄んでいてとっても気持ちいいので、山方面に出かけたいところですが、山沿いはまだ雪が残っていて路面が雪解け水でびちゃびちゃになってることが多いんです。国産バイクは良くできているので、タイヤが跳ね上げる水をうまく処理するのでいいんですが、私のダイナはタイヤが跳ね上げた泥水が容赦なくエンジンやタンクにはね飛んできて「あばばばばばばばば」ってなる。

そんなわけで、しばらく水たまりを走るとエンジンが泥まみれとなり、イセキの早苗のような外観になってしまう・・。こうなるとガレージに帰った後、「疲れた体に鞭打って寒中洗車」という悲しみを背負うことになりますので、やっぱりこの時期は海沿いや幹線道路が無難です。

とりあえず充電器外してエンジンをかけてみます。トリクル充電器でバッテリーは健康そのものですので、多少寝起きは遅かったですけれども、無事エンジンに火が入りました。で、走ってきた感想ですが、やっぱり「ボーッとのどかに走る分にはハーレーの右に出るバイクはないな」って感じです。

3ヶ月くらいほったらかしていたこともあって、サスやエンジンも動作がちょっと固めな感じですが、走っているうちに、こっちもバイクもやがて本調子になってくる。ダイナはなーんせフロント19インチといういにしえのディメンションですので、いきなり乗るとちょっと違和感がある。F6Bみたいに何も考えずいきなり自由自在ってわけじゃないんですね。

ずっとF6Bのフラットで万能な乗り味に慣れて、しばらくブランクが空くと、最初は僅かですが「んーー、こんなんだったっけ?」と感じることがあります。でも走り出してしばらくすると、「ああ、これだな、これがダイナだなー。」としみじみ故郷に帰ってきたような感じがする。決して優等生ではないけど、なんーか落ち着んですよねー。さすが一度着たら楽で脱げないジャージバイク。しかもパーツ強度は鬼のパンツ以上で10年くらいじゃ微動だにしない。強いぞ。

Yahoo!ブログも4月一杯くらいで終了するようですが、今年もF6Bとダイナとグロムとモンキーの4台で、穏やかなバイクライフを送りたいと思っています。

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