先日からとんでもない豪雨が北陸地方を襲っていました。ここ数年ちょっと記憶にないくらいの激しい雨が数日間降り続き、私が住む地域でも避難勧告が出て、スマホが夜中に緊急警報で鳴りひびくような状況が続いていました。

とにかく来る日も来る日も豪雨、雨、豪雨、雨雨の繰り返し。これじゃ河も氾濫しますよね。ちなみに私の町は昔よく河が氾濫したので、あえて護岸に弱いところを作っておき、最悪の場合そこが決壊して他の部分の決壊を防ぐようにしていたとのこと。当然河が決壊すれば水害が生じるんですが、水害によって被害を受けるエリアもちゃんと想定してあって、そこには決して人が住まないように、家を建てさせないようにしていたそうです。私の住んでいるところは田舎で地価も安いのでそんなこともできたんでしょうが、広島あたりの人口密集地では住宅用地も少なく、そんなリスクヘッジも難しいんでしょうね。

今回の豪雨では、私の住んでいるところは河川の決壊もなく特段の被害は出ませんでしたが、この豪雨で大きな被害が出た地域の方々には心からお見舞い申し上げます。「豪雨によって水没してしまったバイクも沢山あるんだろう」と思うと、同じバイク乗りとして胸が痛いです。

イメージ 1
(災害級の豪雨が過ぎ去り、青空が広がりました。空気が冴え渡っているのが写真からもわかります。)

さて、土曜まで続いた災害級の豪雨から一夜明けて目が覚めてみると、とても綺麗な青空が広がっていました。一気に夏の日差しが戻ってきて、照り返す日差しの中で路面も完全に乾いている。せっかくの休みですし、この数日バイクに乗れなかった鬱憤を晴らすべく、早速ダイナを駆って走りに出ました・・ところが・・・走り出してすぐ「こ・・これは・・」と衝撃を受けることになります。

「な・・なんだ・・・この澄み渡った空気は・・・」

よく凍てつく冬の朝などにバイクで走り出すとキーンと空気が澄み渡っているのを感じますが、走り出した直後、それとはまた違う、完全に除菌された大気に包まれたのです。これは空気が旨いとか、いくら吸っても鼻毛が伸びる感じがしないとか、マイナスイオン感があるとか、もうなんといって良いかわからないんですが、とにかく空気がこれまでにないほど気持ちいい。

普段の道路はアスファルトの細かい粉塵や埃、砂などが舞っていて、その中をバイクでかき分けるように走り抜けていくわけですが、今日の道路上には黄砂のような埃もなければ車の吐き出す排ガスのモヤッとした感じもない。キラキラと光る細かい塵の輝きもない。サンサンと照りつける太陽の下でうだるような暑さでしたが、そこにあるのはまさに混じりけのない原初の大気。まるで腐海の地下のように浄化された空間がそこにありました。

おそらく連日の滝のような豪雨で空気中の不純物が一切合切路上にたたき落とされ、道路上にあった塵や埃ごと全て洗い流されてしまった結果このような状態になったのでしょう。停滞する梅雨前線による豪雨がケルヒャー高圧洗浄機のように、路上を丸ごと洗浄してくれたというわけです。これこそ大地の水洗い。

年取るとあんまり感動しなくなるんですが、こんなことはありそうでほとんど体験したことがありません。流石の私もこの体験に驚きと共に感動を抑えきれず、「いやこれ最高でしょ!!サイコー!!!」と思わず脳内で何度も叫んでしまいました。

イメージ 2
(これまでの板タブに変わり、液晶タブレットワコムCintiq13HDを入手し、早速描いたイラスト。ついに手に入れた液タブ、感無量です。)

普段ならトラックの排ガスにまみれてアクセルを開け気味で一気に走り抜ける国道も今日は時速60㎞台がとても気持ちいい。いつもと同じ道を走っているのに異空間にいるようなこの感動は大気から遮断されたクルマに乗っていては絶対に気づかない。

完全に浄化され、澄み切った美しい空気の中を生活に疲れ「どんよりと濁った瞳の中年男」が走り抜けていく。なんというシュールな絵ヅラでしょうか・・。災害級の豪雨の後にこんな奇跡が待っていようとは誰が想像したでしょう。

こういう奇跡のような瞬間を体験すると「ああ、やはりバイクは最高・・」感じざるを得ない。はじめは「ちょっとそこまでチョイノリで・・」と思ってましたが、少し長めのツーリングに予定を変更。ただし、山の細道は豪雨で落石や土砂の堆積が予想されますし、国道も場所によっては一部通行止めになってましたので、慎重にルートを選びながらなんだかんだと5時間くらいバイクの上にいました。

たまにこういうことがあるから、やっぱりバイクはやめられないです・・・。