あいかわらず私の極めて個人的な意見に終始するハーレーブログになります。今回はハーレーの新型エンジン、ミルウォーキーエイトに関する雑感を書き連ねてみたいと思います。ミルウォーキーでのアクセスが多いんで・・。すごく長くて内容ないですが、お付き合いいただけるとうれしいです。

私のミルウォーキーエンジンに対する第一印象は以前ブログに書いたように、「あら~。これがハーレーのエンジンなのかしら~?」というものでした。その理由はいろいろあるのですが、決してネガティブイメージだけではなく「ハーレーにしてはずいぶん真面目に作ったな」という驚きと、「ああ、やっぱこういう方向に行くんだ・・。」という感慨が入り交じったものだったとフォローしておきたい。

ハーレーのエンジンはTCですら乗った瞬間「おーっ。なんとも古くせぇエンジンだなこりゃ!」とつぶやきが漏れるほど「雑味のある回り方」「かなり振動」するシロモノなので、「国産に比べて、まぁいい加減に作ってあるよな・・」って感想なのですが、新型のミルウォーキーエイトはそんな雑味をかなり取り去ってありました。

結果、振動もカドが取れて「気持ちよくまろやか」になってます。ちまたで言われている「鼓動」って気持ちいいものなのはわかるけど、それは過度に持ち上げたり、それに酔っちゃったりするものでもないと思ってます。鼓動って言い換えれば「ワイルドで強烈な振動」なんですよね。んで、ワイルドな振動って良いの悪いの?っていうと機械的には決して良くはないんです。

突き抜けた鼓動感というのは、別方向から見ると、メカニズムに対するストレスも大きく、機械的に負担のかかる状態を野放しにしているわけです。振動によってパーツやステーが折れまくるし、パーツの強度計算も難しく、車体も重くなり、故障の元にもなる。

「振動が人間の好みにあって気持ちいい」というのはとても素敵なことですが、振動には良い面もあり、悪い面もある。良い部分のみを必要以上に誇張し、弊害を書かずに美化しすぎたりすると、真面目なホンダの多気筒エンジンバイクがぶち切れて

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このような折檻を受けるかもしれません。(ちなみに上の絵は以前擬人化したゴールドウィングF6Bです。)

ミルウォーキーエイトの振動はまろやかで気持ちいいですが、今の技術で真面目に考えて作れば作るほどブルブルした振動はカドの取れたパルスになっていく。鼓動感をもっと出せ!」というのは簡単ですが、それはハーレーに進化を求めつつ、「振動面だけは退化させろ!」といっているに等しいので、なかなか無理な注文だと私は考えています。

そもそも私自身、「野太い爆音や振動、三拍子のような不安定なアイドリングがハーレーの本質である」などとは全然思っていない。もしそんなものがハーレーの本質なら、ハーレーは「未来に生き残っていけないバイク」ということになってしまいます。ハーレーの本質は人間という不完全な生き物が伴侶として付き合うとしたら、どんなバイクがいいのか?という問いに一定の答えを出していることだと考えているのです。

私が感じるハーレーの非凡なところは「現代のバイクなのに、スピード依存症の人間すら、だらけさせてしまうどうしようもないユルさ。古典的乗り味。人間の能力を超えていかないポテンシャル。それに起因する低速での満足感。」です。そういうところが一番のアイデンティティだと思ってますし、バイクに対する深い見識がないとこの調教はできない。私が8年もローライダーを乗り換えてない理由です。

エンジンが耕運機のようだろうが、サスの動きが笑っちゃうくらいいい加減だろうが、「それが不思議と人という不完全な生き物とシンクロしていく。」というバイクでは珍しい美点がすべてを許容させるわけです。

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(振動でシックデザインのカウルのステーが折れること3回。自宅から遠く離れた異国の地で折れると、振動でカウルが赤ベコのように揺れて乗れたモノではない。帰路はひたすら我慢の地獄マシンに変わる。)

でも、そういうところに価値を見いだすのは変人のみ。普通は「現行バイクなんだからもっとしっかりしてくれ!」って思うはずです。一般的な顧客は今の道路事情の中でより安全で快適で環境に適応した性能を求めてます。当たり前ですが、世の中のクルーザーは「高性能&高機能&快適性=価格正当性」なのです。

「現代のバイクなのにこんなに雑でおおらかなんてステキすぎる!!」では誰も金は払わない。まっとうな顧客は高速道路の流れの中でパワーの余裕もなく、シャーシもヨレヨレで、渋滞にはまるとシュウマイのように蒸し上げられて四苦八苦するようなバイクにはきっちりと改善を求めます。そうでないと後部座席の奥さんもキレかねません。そういうところを細かく改善したのがラッシュモアなわけですし、それは「顧客目線の商品作りをしました!」というハーレーの宣言です。そんなことは国産はとうの昔からやってるわけですが、唯我独尊のハーレーもついに顧客の声を真摯に聞き、細かい改善を施してプロダクト作りに反映するようになったのです。

進化というのは機械的にダメなものを少しずつ取り去っていくということなのでありますが、今回のミルウォーキーエイトはTCでダメだった部分をかなり取り去っていると思います。しかし、ダメなものを取り去ると私のように「ダメなところが好きだった人」も必然的に取り去られることになる。でもまぁ、そういう人は容赦なくおいていけばいいのです。

「万人に最高なエンジンやシャーシなんてない」し、どんなライダーでも慣れ親しんだバイクに愛着があるのは当たり前です。特にハーレーは性能依存型のバイクではなく、「人になじむ」バイクなのでその傾向はさらに強い。だから乗り手も新しいエンジンを受け入れるには時間がかかるし、新エンジンと旧エンジンの間で小競り合いも起きる。

でも、昔のエンジンの方がいいと思う人が間違っているわけではない。新しいエンジンがいいという人も間違っているわけではない。そもそも趣味や趣向の世界に間違っている人などいないのです。個人の考え方がどうか、感じ方がどうか、財布の中身がどうかと言うだけ。その選択の多様性を否定することは逆にバイクの価値観を狭めることになってしまいます。ただ一つ言えることは新エンジンが旧エンジンより「あらゆる意味で優れている」ということ。私自身はハーレーは「TCあたりの調教が自分の中のバランス点として丁度いい。」と思っていますが、ミルウォーキーより性能がいいなどとは全然まったくこれっぽっちも考えてないのです。

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(どちらのエンジンが良いのかは機械が決めるのではない。メーカーが決めるのでもない。所詮乗り手が決める。)

こんなこと言っては身もフタもないんですが「人の選択や人の選ぶバイク」とか「ヒョーロンカも含めた他人のバイク評価」に自分は全くといっていいほど興味がありません。そもそも完璧なバイクなんてないと確信しているし、不人気モデルにも心洗われるほど素敵なモデルがあることも十分理解しています。

自分にあったバイクって一体なんなの?ってのをずっと考えてきて、ここ8年間はTC96ローライダーに落ち着いてます。その理由はというと「このバイクは乗りつぶすまで馴染み続けるので特段乗り換える必要はないし、完成度や性能はバイクの価値とは余り関係ない。」というのが私のダイナ評だからかもしれません。

ハーレーは新旧含め、今乗ってるローライダーで十分ですので、新型ではハーレーよりヤマハの3気筒あたりが気になる。あと格好だけ速いというGSX250Rなんかもいい。「うぉー!かっちょえぇー!!このスタイリングでユルい動力性能って!さすがスズキ!!カブいておるわ!!変態!!」って一人盛り上がってる。いや、こんなアホなバイク観を真に受けていてはいけません。

所詮こういうブログの意見など、何の責任も負わないからただ言いっ放し。(でも、誰に気兼ねなく本音が言えるところがウェブのいいところです。)来年になったらケツをまくって「ミルウォーキー最高!!ブワッハハハハ!!」なんて言ってるかもしれない。

あと、最後になりましたがツインクールド・エンジンに一言だけ。

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(なんと、空冷のほんの一部分を水で冷やそうという斜め上の発想のツインクールド。さすがハーレー。変態です。全部冷やせや!!というホンダ、エンジニアの叫びが聞こえる。)

ウルトラ系は冷却機能を上げるため、エキパイ回りを水で冷やす(!)という反則技に打って出てますが、これは「ドーピング空冷」とか「エグゼクティブ空冷」とでも表現したくなるような結構ハチャメチャな手法です。こりゃもう「既に空冷じゃない」し、かといってシリンダー回り完全に冷やせてるわけでもないので、水冷のメリットも中途半端。重いし複雑だし冷えも悪いという・・一体何の利点が??あのやり方だと環8あたりの渋滞ハマるとオーバーヒートするときはやっぱりしちゃうと思います。基本構造ほとんど空冷なんで・・あとマフラー変えて薄くなったりすると、場合によっては冷やしきれないと思うなぁ・・。

糖尿病の人が体質改善せずに血糖値が限界を超えたんで、インシュリン打ちまくりながら酒飲んでる感じです(笑)。水使って冷やしてるのに何故かオーバーヒートしちゃうんです!てへっ!!みたいなところがハーレーらしいとも言える。まぁそんな細かいこと気にしてちゃハーレー乗りなんてやってられないところもありますね。こういうツッコミを受けても、振動でパーツが折れても、「いやぁハーレーだからねぇ(笑)」くらいの余裕で対応してこそ、真のハーレー乗りといえるのかも・・。