以前書いたゴールドウィングF6Bのインプレは取り回し編で終わっていましたが、また一つ追加します。今回のインプレはウィンドプロテクションについてです。冬場になる度にいつも思うF6Bのありがたさ。

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(海辺にたたずむF6B。リアシートを取り外すだけでなにかしら凶悪な感じになるのは何ででしょう?)

12月から2月頃まではF6Bの汎用性に拍車がかかる時期です。ダイナなどのネイキッドですと外気温10℃を切ると「冷気系の攻撃魔法に自ら当たりに行く状態」になり、電熱ジャケットなどの特殊装備がないとヒットポイントの減少が著しく到底走ろうという気にならないのですが、F6Bなら外気温2℃~3℃くらいまでならなんとか通常の冬装備でいける。私のF6Bはスクリーンを含めほぼノーマル(マフラーだけは車検対応のヤマモト管が入ってます。)なのですが、ノーマルの低めのスクリーンでも前方から吹きつける風を跳ね返す巨大な防御結界が前方に展開され、全ての冷気攻撃を遮断してくれます。

寒さに弱い太もも部分もカウルがどーんと左右に張り出しているため防風範囲内にすっぽり入っている。これが実にでかい。冬場にGパン+アンダーウェアで気温2℃まで耐えられるなんて、これは夢ではなかろうか?

「ここまでエアを完璧に防ぐとは、これはエクスカリバーの鞘か!!」

「誰が上手いこと言えといった」なつぶやきも漏れるというもの。唯一風が当たるのはグリップ部分と顔ですが、指はグリップヒーター(メーカーオプション)でヌクヌクですし、顔に当たる風もそよ風程度で、これがまたバイク乗ってる感があっていい感じなのです。(ちなみに私の面の皮は足の裏の皮より厚いので、冷風が当たっても何ら問題はありません。)

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(それにしても、縦に長い。)

結局のところ冬場のバイクの寒さは吹きつける走行風によるもの。防寒着が多少貧弱でも走行風さえあたらなければどうということはないわけですが、クルマならともかくバイクはこれがなかなかできません。バイクではCD値(空気抵抗値)を減らして高速燃費と最高速を稼ぐことを目的としたカウルや、効率的に風を逃がし整流するようなスクリーンはあまたありますが、空気抵抗が著しく増すのを許容してまでライダーを完全に外界からシャットアウトするような「防御結界系のカウル」は少ない。

それもそのはず、そのような「防御結界系カウル」を空気抵抗に逆らって押し出すには大トルクのエンジンと巨大な車体が必須になり、軽量コンパクトで経済性と俊敏性を武器とするバイクの価値観の否定にもつながりかねないのです。バイクが重くなって取り回しも苦痛になっちゃうし、すり抜けもできないし、金額も高くなるしで、バイクの利点がどんどんスポイルされていってデメリットの方が多くなる。「すり抜けできねぇバイクなんて価値がねぇよ!」と感じる方は、都市部では結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?

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(この膝部分の張り出しの効果が絶大。)

GL系やハーレーウルトラ系の特徴は、このような本来バイクが切り捨てるべきところを無視してでも、ライダーのための快適装備をてんこ盛りにしちゃったところでしょう。壁のようにそびえるウィンドプロテクション、柔らかく乗り心地のいいソファのようなシート、ご機嫌なオーディオ、何でも飲み込む大きなラゲッジスペース、ヌクヌクのヒーター。こういうものはあると便利だけど、バイクではいろんなところで無理が出るから普通は削る。

軽くて小回りが効き、機動性があるからタイヤが二つしかなくても支持者がいるのに、そこに重量物をドンドン乗っけてけば、ケーニヒス・ティーガーのように「凄い火力と重装甲だけど重くて動けん!!」的な感じになり、バイクの本来的な役割から逸脱していくのは明らかです。でも戦車でも「実戦でほとんど活躍できていない」ケーニヒス・ティーガーが人気なように、メカ好きはこういうとんでもないものに惹かれる習性を持ってるので始末が悪い。

なんだかんだとバイクの常識の埒外にいるのがGL系「燃費や経済性など関係ねぇ!」「重い?じゃかましい!乗りたい奴ァ、マッチョになれ!」とばかり、露骨に乗り手を選びつつ、常識を無視した巨体と贅沢すぎる大排気量エンジンで、「どかんかい、どかんかいワレェ!」と歌舞伎町のヤクザのように空気の壁を押し返していくのです。

重量からくる不都合を乗り手にすべて押しつけて、「盛り過ぎちゃって、めちゃくちゃ大きく重くなっちゃいましたぁ。多分二輪としては限界ですぅ。それでも欲しい方はどうぞ~。乗れるもんなら乗ってみてね~。」と見事に開き直ってしまっている。多くの方は重量に苦労している乗り手をみて「いっそクルマに乗りゃいいじゃん。」とおっしゃる。

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(顔が赤くてでかいので正面から見ると、アマゾンライダーのジャングラーを彷彿とさせますが、所有者はモグラ怪人より弱い。)

でもそれはちょっと違う。これ、バイクだからいいんです。クルマだったら当たり前、バイクだからこそ規格外。その規格外の存在自体が面白いんです。モンキーがいいってのもGLとは逆にバイクの常識から外れた小ささだから。

モンキーをフルチューンし、信号待ちで「えー?ナニナニ、このバイクカワイ~、あっモンキーって書いてあるよ!こんなちっちゃいバイクでも公道走れるんだぁ?頑張れば50キロくらいは出るのかなぁ??大丈夫なのかなぁ??」

信号青→「なにこのゴキブリみたいな小猿、速ェエエエェエエエェエエエ!!」っていうバカさ加減が最高。

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(最高速120キロオーバーのスーパーモンキー。シールはへっちまんの渾身作。)

まぁなんともあまのじゃくですが、世の中がクルマ社会になり、クルマの安全性が叫ばれる昨今、全く快適でもなく危険ですらあり価格も上昇中のバイクは存在自体が既に「ひねくれてる」んです。

だから、面白くひねていく分にはもうイケイケでやってけばいいんじゃないかなぁ・・と思ってます。