今回ご紹介するのは、老舗ボークスのいにしえのキット「マドカ・ファランクスモード」です。

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(涼しい顔で殺る気満々。ご家庭の奉仕活動からはかけ離れた重武装。10人いれば尖閣諸島も守り切れる。)

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(パッケージ写真。私は仕事の余暇に模型を楽しむ一般モデラーでありますので、箱絵のフィニッシャーさんとは決して比べないでください。)

キットの発売は2004年ですので、もう13年前。プリキュアがはじまった年です・・。こんなに古いともはや「カビの生えたキット」と言っても過言ではないでしょう。

「誰このメイドさん?初めて見たわ」という方が多いかもしれませんが、このキャラは「超昴天使エスカレイヤー」というエロゲに登場したマドカという名のサブキャラです。その後同名の超有名魔法少女に完全に食われてしまい、「マドカ」といってもこのキャラを思い浮かべる人はまずいないという気の毒な境遇になりました。

こんなドマイナーキャラのフィギュアなのに、このキットは発売当時それなりに人気がありました。それは何故か??理由は簡単、オタに安定した人気を誇る「メイドさん」という基本に加えて「どう考えてもデンドロビウムだろコレ」な圧倒的重武装。隣の家からこんなメイドが現れたらもうおまわりさんを飛び越えて自衛隊を呼ぶ必要がある。

そう、この世にマドカファンは僅かしかいなくても、デンドロビウムファンは腐るほど(??)いるのです。

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(メカ好きには失禁モノのデンドロビウム。コレを作るために家を新築した猛者もいる。)

このキット、デンドロビウムからステイメンを抜き取って可愛いメイドさんにオーキス担がせたようなものですから人気が出ないわけがない。当時14800円と実に良いお値段だったわけですが、ファイブスターのモーターヘッドのガレキに比べればそれでも随分と安かったわけで、デンドロ好きは買わずにはいられないフィギュアだったといえるでしょう。

ある時期までメイドといえばほとんどがオバサンで、美女のメイドは「デカダン的ポルノ世界」の住人でした。しかし、こういう美女メイドさんが表の世界に堂々と出てきたのはいつ頃からなんでしょうか。古いところではまほろまてぃっくの「まほろさん」がメイド服でやりたい放題して新鮮だったイメージがありますが、いつの間にかメイドは当たり前のようにアニメ界に定着して、今も銃を乱射したりナイフを投げまくったりで大暴れしています。もはやオタ世界では女子のメジャー職業の一つといっても過言ではありません。

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(アンドロイドメイド、まほろさん。戦うメイドの先駆けとも言える存在。銀河系にその名が鳴り響く強さではあるが稼働寿命を設定したことで、はかなさも併せ持つという設定の勝利。ぢたま某さんのほのぼのとした絵柄も相まって一世を風靡。)

基本オタは三次元女子にまったく免疫がなく、男子校出身者と同じで女子の扱いにある種の恐怖を抱いているため、何を言っても無条件に服従してくれるメイドさんは女神のような存在。戦うメイドさんに至っては日常の奉仕だけではなく、オタ萌えのする武器を手に取り、主のために命まで張ってくれるのですから人気が出ないわけがない。このマドカファランクスモードでは街を一つ廃墟に出来るくらいの火力もついてくる。なんて素晴らしいのか。いつかは公園にモニュメントとして「武装メイド」の像が建つかもしれない。

「わかりました、ご主人様❤」  

「イエス・・MYマスター・・」

おお・・・何という素晴らしい響きなのか。この美しい響き、耳ざわりの良さを前にしては、もはやミリタリーフィギュアなどなすすべがない。

「ノー!!サー!!!!」と敬礼しつつも汚い顔で反抗してくるオッサンどもは、8tハーフトラックでまとめて「アウシュビッツ」「ゲットー」送りが確定です。

そう、我々は気づいてしまった。圧倒的機能美を誇るミリタリーメカから暑苦しいオッサンどもを排除し、可愛い女子と組み合わせれば新たな世界が広がることに・・。このような「いけない知恵の実」を食べてしまった以上、我々は行くところまで行くしかありません。

今思えば小学生にしてコンバトラーVの「南原ちづる」に萌えたときからメカと女性の親和性には薄々気づいていたのかもしれない。しかし、「それだけはやってはいけない、その一線は越えてはいけない、ミリタリーに婦女子など・・それは冒涜ではないか?となんとなく思っていました。「せめてミリタリーの世界だけは油臭く、汗臭く、ストイックでなくては」と頑なに信じていた。

しかし、完全にオタとして成熟した今、戦車兵がすべて女子高生になってしまったガルパンが放映されたのを見ても「なんだこれは!こんな軟弱なアニメは許せない!!」とは全然思わない。フツーにハマる。三号突撃砲の活躍を見て「三突三突三突ぅ~」と感涙する。ミリタリーファンも同じだったのでしょう。

「ミリタリーにオッサン戦車兵はマストではなかった・・・」

その真実を多くのミリタリーファンが理解したことにより、ミリタリーモデラーの心のマジノ戦は見事に崩壊してしまったのです。それ以降は艦これのブームもあり、ストイックなミリタリーモデル専門誌まで美少女雑誌のように萌え萌えになっていきました。

まぁよくよく考えてみればアサルトライフルのカラシニコフがアニメやゲームで出てきても、ミリタリーの時と同じように「ああ、、カラシニコフええなぁ・・カラシニコフ~」と思えていたのですから、メカ好きはどんな形で調理されていても「銃器や戦車や艦艇さえ出てくればアホのように萌えられる」わけですね。だから女子高生と絡もうが、水着の女の子と絡もうが、好きなメカが活躍するのならなんでもアリなのです。

そういうわけで禁断の果実を食べたミリタリー業界の行く末はいかなるものか?ミリタリーモデラーの端くれとして、これからも生暖かく見守っていきたいと思います。

次回からはこのキットについて記憶をたぐりながらのグダグダ製作記を書いていきます。