マリさんの製作記もいよいよ7回目。いつまで引っ張るんだよ!という感じなんですが、今回の「お顔の製作」を粛々とブログに書いてしまうとガレージキット製作記を記している私の気持ち的には完全に峠を超えてしまいます。

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(マリさん近影。遺影みたいですが気にしないでください。)

私自身なぜこんなメンドクサいガレージキットのフィギュアを製作しているのかと申しますと、「好きなキャラの顔を描きたい。心おきなく描いていきたい。時間を忘れて没頭したい。できれば少しはうまくなりたい。」という「ナニこのオジサン気持ち悪い!」「精神と時の部屋から出てこないで!!」といわれかねないベタでド直球な欲求からです。

私の模型歴はガンプラ・ミリタリー系・バイク模型・帆船模型・ガレキフィギュアと各ジャンルを酒酔い運転のようにフラフラ渡り歩くものとなっているわけですが、若い頃は正直「美少女フィギュア製作??日本男児たるもの、そんな軟弱で恥ずかしいもの作れるか!!模型とはもっともっとストイックなホビーなのでアーール!!!軟弱者はカラシニコフで銃殺!逝ってヨシ!!」と考えていました。

バイクも同じ。「超高性能マシンこそ我が伴侶!後はゴミ。所得ないからフルローンで激アツの金利14パーセントだけど、燃えてる俺にはそれすらもふさわしい!!!さぁ納車せいやぁぁあああ今すぐ即!!」みたいなことをミナミの帝王みたいな劇画調で絶叫していたわけです。

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(塗装前です。この写真を見ながら筆を走らせます。)

そんな奴の愛車が今ハーレーとゴールドウィングF6Bで、模型はここでメタメタな文章で美少女フィギュア製作のブログを書いているという・・・。ヘビメタバンドから演歌歌手になるくらいの変わりよう。寝ているうちにどこかの組織にソフト脳改造されたのかもしれません。

しかし今思うと、こういう変なこだわりと本質を見極めない否定は自分が自分自身にはめた足枷にすぎなかったわけです。「自分を良く見せたい、格好つけたい」という若人特有の気負いのために自分の世界を狭めていたのですね。

「所詮他人は自分のことなどコバエ程度にも興味がない。」それが現実。昔はそれが厭だったんですが、今はそれが逆に楽で楽でしょうがない。他人の目線がどうでもよくなって初めて自分の奥底に入っていけるようになった・・そんな気がしてます。
で、フィギュアの顔描きです。

これまで「あーー、、キツい、、あーーーメンドくせぇぇええ・・・」とボヤいていたガレキ製作も、顔描きだけは「顔描き顔描き、るるるるーーーん」的なテンションの高さになる。フィギュア製作における萌えポイントは人にとっては「お尻のライン」かもしれないし、「パンツの色味や質感」かもしれない。またある人にとっては「犯罪的で○○な魔改造」かもしれません。そんな人に比べれば私は実に真人間!!(そう深夜にボルテスVのようなマスクをしてダースベイダーみたいな呼吸音で一心不乱にマスキングしたパンツを塗っていたとしても・・)しかし、どこかにそういう萌えポイントがなくては、好き好んでガレキフィギュアなど作れないというのが正直なところでしょう。

「好きな割には全然上手くないやんけ!!」と言われれば反論の余地もなく、壁の隅で紅茶キノコ栽培に励むしかないわけですが、とにかく「顔描きが好き」なんです。かといって顔だけ描いてればいいというわけでなく、面倒くさい作業をさんざん経てから顔までたどり着くこの達成感が大事なんです。苦労して苦労して目標を達成したアカツキに「勝利のダルマの目を入れる」的気分が大事なんですね。

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(塗装後です。鉛筆で描いた初期イメージに忠実です。いかに下書きでのイメージ作りが重要かということですね。)

というわけでマリさんの顔なんですが、今回のマリさん、メガネを押さえる指の仕草が、どうにもランカ・リーの「キラッ」を彷彿とさせます。(私はランカの「キラッ」を最初に見たときには、何故かまことちゃんの「グワシ」を思い浮かべてしまたわけですが・・。)
                                  
マリさんのまたがるバイクが「どおくまん路線」なので、乗ってるマリさんが真性ブリッ子ポーズの「キラッ」というのはさすがに無理がある。そこで「キラッ」とか「てへっ」より可愛さの中にも「キリッ」とした表情、ちょっと男っぽいボーイズラブ系王子様路線で描いていくことにいたしました。

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(やってやったぜ!な感動で脳汁ブシャーな塗装後。これがあるからフィギュア作りはやめられない。)

前置きが随分と長くなってしまったので2回に分けます、ごめんなさい。具体的な塗装過程は次回で。