マリR製作記その5です。

ここからが緊張のデカール貼りです。ここで満を持してデカール3種の神器を登場させます。

「リキッドデカールフィルム」(デカール補強剤)
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(アイテム紹介は混沌の知恵袋、魔道書ネクロノミコンことアル・アジフ先生です。)

「マークセッター」(デカールのり)
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「マークソフター」(デカール軟化剤)
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こいつらが「デカール3種の神器」です。デカール界の黒い三連星と言い換えてもいいでしょう。すべて透明な液体なので「お前らどう違うの??」と首をかしげるかもしれませんが、用途は一つ一つ違います。でもこれが使えるんですな~。こいつらがいなくてもデカールは貼れますが、こいつらを使うことにより完成度や安心感が飛躍的に上がる。正直あった方がいいおすすめアイテムです。

この3つのアイテム、ミリタリー模型やバイク模型でこれまで結構頻繁に使用してきた記憶があるんですが、「まだめちゃめちゃ残ってる。」とりあえず1個ずつ買っておけば、一生なくなることはないと思われますので、コストパフォーマンスも絶大。デカールを極めようと思えば長い目で見て購入して損はありません。

今回のNSR50はマリさんを「どおくまん風にディフォルメしたデカール」が一番の見所。しかし、このデカールは水転写で面積が大きい。そして当たり前ですが予備がない。小さいデカールは貼りやすいのですが、ここまで大きいデカールをカウルの局面に沿わせつつもシワを出さない。というのはなかなかに大変で、カウルの凹凸が複雑だったアスカRに貼った「ネルフマーク」には地獄を見た記憶があります。


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(この舌のグルグル表現が刺さる。昭和時代のどおくまんプロのベタなエレクト表現ですが、昭和スキーなマリさんならハマる。)


とにかくデカールの崩壊は無常感にあふれてます。

デカールは音もなく静かに崩壊します。ある時ふと予告なく「ペリっ」と破れます。(今後デカール1箇所が破れることを「1ペリ」と呼称します。)これがまだ「1ペリ」ならうまくリカバリーしてなんとかなります。しかし、この崩壊を止めらない場合「ペリっ、ペリっ、ペリリっ」とペリ数がどんどん増えていき、4ペリぐらいになると致命的崩壊に至る恐れがある。当然ペリ数が増える度に製作者のSAN値が段階的に減っていき、宇宙規模の大破壊→精神崩壊に近づいていくわけです。

この崩壊の際の衝撃はガレキ本組の際の大失敗のように「ぐぎゃあああああああ!!」と頭を押さえ絶叫して転げまわる感じではなく、「1ペリ」ごとに「はうっ」っとムンクの叫びのポーズになって固まる感じといったらいいでしょうか・・。とにかく心臓に悪いことこの上ない

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(デカールが破れたときの顔とポーズ)

この恐怖の「割れ」「裂け」体験を防止するため、デカールを貼る前にデカール補強の魔法の液体「リキッドデカールフィルム」を筆で薄塗りしておくと良いでしょう。古いデカールなど湯につけただけで溶けるように崩壊する場合がありますが、これを塗っとけばそんなことはおきません。

デカールは熱々のお湯にひたしてシートからはがします。デカールを貼る前には、その場所への定着がよくなるようデカールを貼る部分に「マークセッター」を塗布し、曲面が強いところは、レンジで熱々にしたタオルで「えーい、くぬっ、くぬっっ」と押さえつつ貼っていきます。とにかくデカール貼りに「1日まるごとかける」くらい時間をかけてジリジリと、大事に大事に貼っていくことが肝要です。

接着面にデカールがうまく定着したなと思ったら「マークソフター」を薄く塗ってさらにデカールを軟化させ、デカールがしわしわになったら、中心部から濡らした綿棒でシワを押さえて完全に馴染ませていきます。

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(最小限の研ぎ出しでも塗装面へデカールがビタッとなじんで「貼り付けた感」がないのは私の技術ではこれっぽっちもなくマークソフターの威力です。)


「この過程はホントにいるんかいな・・」と思う方はやらなくてもいいでしょう。ただ、マークソフターを使う前は「ああ、ここにデカールが貼ってあるなぁ」と明確にわかりますが、マークソフターで軟化させ、カウルに完全密着させると、「まるで塗装されているかのように」デカールとカウルが同化するのです。一度この仕上がりを見てしまうと、もうマークソフターを使わずにはいられなくなる。ただ、マークソフターはデカールをオブラートのようにヘナヘナにしてしまいますので、密着作業を失敗すると柔らかくなったデカールがちぎれて再起不能になります。マークソフターの特性に慣れるまでは、あんまり高額のキットで使わない方がいいかもしれません・・。

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(苦闘の末、なんとか無難に張り終えることが出来ました。)

デカールが密着したら、全体にスーパークリアⅢを4回~5回くらい重ね吹きしてデカールの上に厚めのクリアー層を作ります。あとはそのクリアー層をコンパウンドで少しずつ滑らかにしながらクリアー層の平滑化と簡易の研ぎ出しを行います。

ウレタンクリアーで分厚いクリアー層を作ったわけではない(そんな手間はかけない)ので、研ぎ出しをあんまりしつこくやりすぎると下のデカールや塗装まで削ってしまい、大絶叫超乱心魔剣円月殺法地球剣銀河斬リ状態となりますので、削りすぎず適当なところでやめておくのが大事ですね。

ということで、バイクの塗装およびデカール貼り終了です。次回はバイクを完成させます。