ライブドアブログに移ってきましたので、インデックスの役割をしていたブログをもう一度先頭復刻することにしました。インデックスもいちいちアドレス修正をしなくてはならないので結構面倒です。

ハーレーのショップツーリングに参加したついでに、最新型のストリートグライドに乗ってきました。エンジンは新型のミルウォーキーエイトってやつです。毎度しつこいようですが、このインプレはあくまで私の個人的感想ですので、皆様参考程度にしてください。

ハーレーについての私のブログをリンクしておきます。
㉕「Freedom Promise」なる販売方法から推測するハーレーの裏事情
㉖ダイナのミラクルオイル交換
㉗故障だ!修理だ!!散財だ!!!(ダイナのエンジントラブル編)
㉘38millionのインフェルノ(ダイナのエンジン修理と車検整備)
㉙駄目ライダーはバルブリフターの夢を見るか?

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ちなみに私が所有しているのは2013年式のローライダー(TC96)です。私にとっては2台目のローライダーになります。私のバイク歴において同型のモデルを2台購入したのは初めてで、自分が如何にローライダー(ハーレーのダイナ系)を気に入っているのかがおわかりになると思います。

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(2代目の愛車。現在4万1千km。目指すは15万kmです)

で、最新型のストリートグライド。ショップの方に聞いたところによると油冷エンジンみたいですね。昔スズキはGSX-Rに軽量化のため油冷を採用してましたが、ハーレーは「大人の事情により水冷にできないから」油冷なんだろうな・・。エンジンは4バルブでTC96とピストンストロークはほぼ一緒。排気量が1745ccになってますから、必然的にボアが広がっていることになります。オイル量を500cc増やして、バルブは2バルブから4バルブに。カムの情報はないんですが、TCのように高回転を切り捨てた「オーバーラップゼロ」などというヘタレ仕様ではなく、それなりに高回転に対応したものが入っているはずです。

要は4バルブで空気を沢山吸えるようにし、油冷にして冷却効率を上げてるわけですから、まぁ誰が見ても「高回転域を安定して回したい。」というエンジンです。けど正直大排気量ロングストロークの空冷2気筒エンジンを高速高回転対応にしようということ自体が原理的に厳しい。いっそ水冷にできたらどんなに楽か!とハーレーの技術者は考えておられるでしょう。いろんな手段をこねくり回しながら、「なんとか空冷のまま冷却効率を上げたいの。」と頑張ってる様は気の毒でもあります。ストロークの長いVツインは高回転へ行けば行くほど振動が激しく出てしまいますので、それを押さえ込むためにバランサーも仕込んでます。

乗ってみると、

「あらぁー、これがハーレーのエンジンなのかしらぁ??」

ってほど高回転までスムーズに回るし、バランサーのおかげで振動もとってもまろやかで洗練されてる。目をつぶって乗ると(よい意味で)トルクを増した国産スクーターのエンジンと間違えるかも。パワーも十分出てるし飛ばしても実に快適だなぁ。これなら全然疲れないだろうなぁ。シャーシもあれっ??ハーレーってこんなしっかりしてたっけ??ってほどフツーになってる。ブレーキもちゃんと効くし、いやー、スッゲーよくなってるなぁ。以上。

・・・なんか良くなってるって言ってる割にはインプレ素っ気なくないですか??ってツッコミが入りそうですね。まぁ機械としてはメッチャ進化してるんです。でも乗り換えるかっていわれたら「乗り換えない」。確信を持ってそういえる。エライ進化だと思うんですが、自分が求めているものとは方向性が違うから。

今回のモデルチェンジでハーレーがやったことは、顧客の要望実現と徹底したネガ潰し、後はアメリカの制限速度上限緩和への対応でしょうか。今までよりもアベレージの高い速度で気持ちよく走るために、エンジンを高回転域でよりスムーズに回さなくてはならない。さらに高回転を維持しても熱ダレしないように冷却能力も向上させる。加えてシャーシもブレーキも強化して高速域での安心感も確保する。詰め将棋のように多くが決定されて、凄くまともなバイクになった。でも性能は上がっているけどそれと引き替えに必ず失うものがある。

そもそも私がハーレーを購入したのは「生きた化石」のような空冷メカニズムと日本の公道速度域にマッチした(というか高速域をあまり考えていない)車体から醸し出される何とも言えない「ロートル感」(しかも、現代のバイクだからあんまり壊れない。)に惹かれたからでした。

長いこと国産に乗ってきて、「バイクってこういうもんですよね。」「良くできた製品ってこうじゃなくちゃね。」「この価格ならこれくらい。」という概念をローライダーはことごとく裏切った。

「がさつなミッション」
「振動激しく上まで回らぬ耕うん機のようなエンジン」
「特定の乗り方をしないと曲がらないスイートスポットの狭いシャーシ」
「スピードを体で感じろ!と言わんばかりのメチャクチャな風当たり」
「日本人の体格にあうポジションとれないという大欠点を「カスタムで自分仕様に」というとんでもない論点すり替え」
「部品強度による高級感と引き替えに押しつけられるクソ重い車重」

もうどう考えてもプラスに評価できないようなところがなぜか心に響き深い共感を誘う・・。

自分が大型免許を取ってからもう24年の歳月が流れ、バイクの性能は上がり続け最高速も300㎞を超えちゃった。でも自分はというと完全に置いてけぼり。それどころか老いが我が身を蝕んで昔のような運動能力や反射神経もなく、どんどん劣化し、ライダーとしても晩年を迎えようとしている・・・。

でも私が購入したハーレーのダイナ・ローライダーは違う。そんな自分を置いていかない。はっきり言いましょう!

ダイナにそんな性能はない!!だが,それがいい(目を輝かせて握り拳)!!

こいつといったら簡単にコーナーすら曲がらせてすらくれない。「ヤバイ!俺がしっかり操らなければこいつは崖下に落ちる!!」と思わせてくれる。現代のバイクで「ダメっぷりを楽しむ」という価値観があるなんて正直考えてもいなかったわけで、カルチャーショックでしたねぇ。

日本製バイクには完成度ではまったく勝てませんが、それを逆手にとって高性能バイクに慣れきったライダーに感動と衝撃を与えてくる。ハーレーのダメ加減は「不完全でだらしなくって、日和見でホントにダメな自分」にもぴたりとはまる。
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「どんどんダメになっていくお前も私が許してやる。」「バイクって性能じゃない。共感と感動だろ?」

と耳元でダイナが優しくささやく。これはまさに詐欺師の言いいわけ、悪魔のささやき。こんなことされたらクソ真面目に性能磨いてる日本メーカーの立つ瀬がない。まったくアメリカはホントに恐ろしい国。アップルみたいなハイテクだけでなく、ローテクでも巧妙にこちらの心を揺さぶりにくる。

とまぁこんな理由(国産に対するアンチテーゼ?)でローライダーを選んでしまった私としては、「どんどん良くなるハーレー」ってフクザツなんです。ハーレー側としては、「ライダーにより優しく、快適で高級な乗り心地を提供したいんです。」ということなんでしょうし、商品としての方向性は全然間違ってないし、びっくりするほど正常進化してる。ツーリングに参加した人の中には、ミルウォーキーエイトを絶賛しつつ「乗り換えたい!!」という方もいらっしゃいました。

しかし私は「完全ではないもの同士許し合いつつ歩んでいく」ことを望んだのであって、「完全体への進化」を望んでいたわけじゃないんですよね。逆に「進化なんていらない、このままでいて欲しい。」とすら思っていた。誤解しないでいただきたいのは、ミルウォーキーエイトの進化を否定しているわけではないのです。ただ、バイクに性能より大事な何かを求めるようになると、進化によって逆に自分の嗜好から外れてしまうことも往々にしてあるということなんです。そして、そういうことはハーレーもわかった上での進化だったんじゃないかな、、と思う。

現行のTCが開発された17年前と今ではハーレーの売り上げって3倍くらい違うんじゃないでしょうか?顧客の裾野も広がって、私が大型とった頃とは全く異なる層がハーレーに乗っています。販売店に持ち込まれるクレームの質も昔とは違うはず。つまりハーレーはもう好きなやつだけ乗れ!という商品開発などできないメーカーであり、「アメリカの高速道路事情??んなもん関係ねーよ!俺達ゃ孤高をいく」などともいってられない。雑誌見ててもそういう売り方してます。

企業は常に「利益の最大化」「顧客層の拡大」に邁進していく、止まることはできない。株主は永遠の成長を望み、それが企業にとっての正義なのです。

新しいストリートグライドに乗りながら
「メーカーは少数顧客の都合で動いているわけではないからなぁ。これからハーレーが獲得を目指すユーザー層には私のような人間は入ってないな・・。」
ということをあらためて思い知ることになりました。でもそこにメーカーに対する怒りや失望などはありません。そんなことで気落ちするような年でもない。ハーレーはハーレー、自分は自分です。所詮世の中は自分の思い通りになどならないものなのです。

しかし、こういう方向にいけばいくほどハーレーの前には「日本の優れた国産バイク」が立ちはだかってくるんではないかなぁ。商品力を上げていく過程でハーレーだけが持っていた特殊性を失っていったら、あえてハーレーを選ぶ理由がどんどんなくなっていってしまうんではないでしょうか。

この世の中には「ハーレー乗り」「ハーレーフリーク」という人達がいて、ハーレー以外のバイクには一切興味がなく、ハーレー仲間と楽しくバイクライフをエンジョイしています。そういう人には今回のモデルチェンジは最高だと思います。でも私は「ハーレー乗り」じゃないし、特定メーカーのファンですらない、「特定バイクのファン」なんです。

よって、どんなに良くできていても自分の嗜好から外れたバイクを購入することはありません。そして急激に進化するハーレーは自分の中で、「凄く粗っぽいけど摩訶不思議で哲学的なバイクを作るメーカー」から、「良くできたVツインのバイクを作るメーカー」になっていく気配です。

試乗を終えた後、一息ついていろいろ考えを巡らせていると、ショップのスタッフさんから「買い換えませんか??」と誘われました。笑って誤魔化しながら、

「ああ、やはり容赦なく刻は流れていくなぁ・・このダイナを大事に乗らなきゃなぁ・・・・」

などと冷めた頭で考えていたことをご報告しておきます。