皆さんこんにちは。冬馬かずさのガレージキット製作記、いよいよ最終回です。

長きに渡って続けてきたガレージキット紹介もガレージキット製作ペースをブログ消化ペースが上回ってしまっているため、いつかは最後を迎えるのは目に見えています。しかし、それをとにかく将来に先延ばしし、まるで無限のストックがあるかのように見せていくのが中年の老獪な遅延戦術というものでしょう。

果てることなくブログを書き続け、モノが見抜けないことで有名な軍師、海のリハクに「このリハクの目をもってしても、・・終わりが見抜けなかった・・」とド定番の台詞を言わせたい。

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(5回にわたってお送りした冬馬かずさの製作記ですが、今回が最後。恒例のサービスカットが満載です。)

そんな下らないことを考えつつ、フィギュア製作記をしたためている今日この頃なわけですが、さすがに今回で冬馬かずさも最終回。また一つ紹介するガレージキットが減ってしまいました・・・。うーんこれからどうする??

いやアンタ、これ毎回言ってますけどね!そもそもバイクのカテゴリに美少女フィギュアってなんなんですか!!大迷惑ですっ!迷惑防止条例に引っかかります!!早く終わって下さいっ!!」

というご意見も至極当然でありますが、いまさら糾弾されましても

「そんなド正論で殴らなくてもいいでしょぉおおおおおお!!」

と涙目で走り去り、マリオのように土管の中に消えていくだけ。

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(ここからはサービスカット。まずは胸の谷間です。最終回ですので、男目線で痒いところに手が届く写真群を上げていきたいと思います。)

そもそもこのブログはYahoo!ブログではじめた当初は「バイク記事の方がオマケだった」んですから、私の本性がさらけ出される模型記事が定期的にぶち込まれるのはしょうがないのであります。

というわけで長々と引っ張り続けてきた冬馬かずさの製作記。内容のほとんどが製作記と何ら関係ないというオロカしくも恐ろしい状況が続いて参りましたが、最後はこのキット全体の感想を述べて総括したいと思います。

そもそもこの冬馬かずさは私が製作する作品傾向としては、割と珍しいものでした。

私の好むガレージキットっていうのは、

「ダイナミックな構図」

「メカとの合体」

「ポージングからあふれ出る躍動感」

など、造形に特徴があるものがほとんどですが、このキットは基本立ち姿で、これといった動きがない、いわゆるマネキンフィギュアです。

こういうフィギュアは造形自体にインパクトがない分、「モデラーの塗装技術が赤裸々になる」ため、私のような低レベルモデラーには「爆死する未来」しか見えない。

そう、技術を持たない一般ゴミモデラーである私は「素晴らしいキット造形技術」「希少なレアキットのもの珍しさ」などを利用し、自分の塗装技術を誤魔化していく、というゲスを極めた手法を基本戦術としており、そこがなくなっちゃうと「パンツを履かずに外出するような心許なさ」があるのです。

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(抜けるような晴天ですね。リアルならこのアングルは完全な盗撮行為ってことになるんでしょうが、これはあくまで模型の完成写真にすぎない。)

思い起こせば、ガレージキットの黎明期はこういう立ち姿一発のフィギュアがほとんどでした。しかし、その後20年を経て、レジン造形は高度化し、今や単なる造形のデキがどうか?だけではなく、その見せ方やコンセプトが重要になってきている現状があります。

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(後ろ姿。髪の毛もひとまとまりではなくかなり細かい房まで再現されています。ストッキングは片足のみですが、色味が良くわからなかった。)

このフィギュアも当時の感覚ではシンプルな方だったと思いますが、棚に飾ると、複雑系のフィギュアばかりの中で一服の清涼剤みたいで悪くない。

結局のところ、このようなマネキンフィギュアにほとんど触手、、いや食指を動さない私がこのキットを購入した理由ってのは、「Vispo造形であったこと」と、「下げているサックスが物珍しく、素敵だったから」だと思うんですね。ボーカル以外の音楽系アーティストを表現したフィギュアってあんまりないし、正直サックスってのも、ピアノやエレキギターに比べるとあんまり女子に使われる楽器ではなくってモチーフとしては非常に珍しいんじゃないでしょうか。

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(この腰のくびれがVispo作品の真骨頂。スカートはテカテカ仕上げでレースはキットに付属。芸こまですね。このキットのサックスは相当簡略化されてますが、それでもキイの連結パイプなどキャストキットでは抜きにくい細く湾曲したパーツが目白押しで、造形にあたっては非常に苦労したんではないかと思います。)

私にとって複雑な管楽器は重火器やバイクに並ぶ立派なメカであり、サックスのような滑らかな曲線をもつ造形になると、その色気ってのはなかなかのものになる。加えて楽器は日常生活においては銃器などより圧倒的にリアルな存在。これを露出度の高い、メタルパンクの美少女とカップリングしたフィギュアはありそうでなかったモチーフであり、これが「このキットの核心部分なのかなぁ・・」と考ちゃったりするわけです。

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(はいお約束のアングルのアップ。おパンツは当然黒。)

 そもそも音楽家って、攻撃的でわがままで気まぐれですから、所持スキル自体が「インテリで強い女性に心の底から蔑まれたい」嗜好の私に激しく刺さってしまう。加えて中身が、黒髪ロンゲぱっつんグラマーツリ目美少女インテリ天才ピアニストって、これだけ属性盛ったら、もうカムヒア無敵超人です。ただパンツ脱ぐだけのエロゲ・ヒロインじゃ、ガレキになるほどの人気は出ない。やっぱりちゃんとした属性計算があるわけですねぇ・・。

場合によっては「女子高生でSMプレイに目覚めたしまった真正女王様」に見えかねないところを、古典楽器のサックスという小物一発で、一気にアーティスト系エンタテイナーに仕立ててしまう。これが、人と機械、アイテムの関係性の面白さなんです。たった一つの要素が、フィギュアのイメージを「サディスティック系ビッチウーマン」から「知的アーティスト」へ一新させてるんですなー。

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(斜め上からうなじのあたり。ここら辺に女性の色香を感じるようになると、もうジジィなのかも。髪は濃いめのパープルを下地に塗ってから、クリアーブラックで黒を徐々に足していき、最後はブラックでグラデーション。ツヤは滑らかスムースつや消しで整えてます。)

正直、こういうフィギュアを作ると妻から「エッロ!いい年して、バカジャナイの??痴漢と紙一重でしょ??犯罪でしょ??」ってイジられかねないところも、サックスを肩から下げることで、「あら、珍しいわね。いいじゃない。」って感じで好印象になる。

人物造形ではエロティシズムやフェロモンをふんだんに加えていきつつ、小物やメカでそれを相殺していくというサジ加減が絶妙で、造形師は無意識にやってるんだと思うんですが、そこがセンスってもんなんだろうなぁと感じるのです。

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(腰のくびれを右斜め後ろから。この腰へのコダワリがVispo造形の素晴らしさだと私は思う。)

とりあえず、この冬馬かずさのフィギュア製作の総括としては、肌の色とサックスのゴールドの色味に納得できていないことですかね。

製作当時ピンク下地に基本のミスターカラーのキャラクターフレッシュ1を吹いて仕上げたような気がするんですが、自然光ならともかくLEDなどの白色光をあてると発色が悪い系の肌色に見えるところがイマイチ。冬馬かずさってのは、設定では透き通るような美白肌。こういう女性の白く透きとおる淡い肌色ってのは、フィギュアモデラーの永遠のテーマですね。

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(最後は女王様アングルから。お粗末様でした。)

このフィギュアを作った当時の私には、その肌色を出す方法論が今ひとつ確立していなかった。色味が淡くなればなるほど、ほんと微妙な色彩表現が要求されるんですが、なかなか上手くいかないんです。このブログ書くのに久しぶりに冬馬かずさを棚から引っ張ってきて、撮影しながら、「うーん今ならもうちょっと上手く塗れるかもしれないなぁ・・」なんて考えてますがあとの祭りですね。

バイクと一緒で、決して後ろへは進むことはできない。それが創作物のいいところです。

次回のキット紹介はバイクのブログらしく、バイクの模型を紹介しようと思います。

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(次回はクソ真面目にレーサーの製作記か?私に限ってそんなわけない。)