「大江戸捜査網かよ!!」という感じのお題ではじまりましたが、私のくだらないブログなど、もはや死して屍拾うものなし状態。開き直って、どんどん攻めていきたいと思います。


(私の大好きな大江戸捜査網のテーマ。時代劇テーマソングの名作中の名作。これホントに私の産まれる前の曲なのか??今聞いても全く古さを感じませんね~。)

なんだかんだいってソロキャンって一人で全てに対処しなくちゃならないんで、ドツボに填まっちゃうと結構酷い目にあいます。

で、一度究極のドツボに填まると「酷い!酷いわ!ソロキャンなんて辛いだけじゃないの!!」ってレベルのダメージ数値が出ちゃって、それがトラウマになってバイクでのキャンプをやめちゃう人もいると思う。

レジャーってやっぱストレスと無縁の方がいいんです。いくら海で泳ぐのが大好きな人でも、巨大鮫に追われればもう二度と海には行きたくなくなるはず。そういうシュチュエーションを可能な限り避けていくのが長く楽しむには大事だと思うわけです。

ソロキャンは大自然の中でテント一枚で夜を明かすわけですから、いろんなことがある。そこに障害が立ちはだかると、楽しいキャンプがいつしか「地獄のサティアン」に変わってしまう。

私が昔冬ツーリングで遭難しかかって、電熱ウェアを使えなくなった(その顛末を書いた「冬物語~地獄変」はこちら。)ように、一度刻まれたトラウマってなかなか抜けない。ソロキャンを楽しむにはいかにドツボに填まらないか?ってのが大事なんじゃないかと思うんですよね。

それでは、ソロキャンのドツボを回避のための、私からのアドバイスを述べていきましょう。

心得の条その1 初期投資としてそれなりの費用がかかります。

どんな「豪の者」でも、キャンプ場で丸裸で寝るわけには参りません。一部の猛者になるとテントも張らず「寝袋」「シュラフカバー」「マット」だけで、路上にゴロリと横になる「雑魚寝キャンプ」を行う人もいますが、横にバイクなかったら、「不審者」「犯罪者」「燃えないゴミ」のどれかにしか見えない。

このような誤解を招かないためにも、不審者ではなくまっとうなソロキャンパーに見えるよう必要なアイテムというものがあるわけです。

私がソロキャンプに最低必要であると考えるのは、積載のための「バック」、寝るための「テント」「シュラフ」「マット」、明かりとりの「ヘッドランプ」です。最低限これだけあれば「素泊まり」はできるので、キャンプツーリングは成立するし、雑魚寝には見えない。

これらの最低装備のお値段は、タナックスのツーリングバックⅡで14,000円程度。テントは定番のコールマンで12,000円程度。シュラフもダウンの入っているいいもので15,000円~20,000円程度はかかります。マットも定番のサーマレストのマットで5000円。

最低限の装備だけでもう50,000円くらいかかっちゃうのですよ。この時点で「配偶者のジト目で焼き殺される」という人も出てくるでしょう。

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(私のキャンプツーリング装備の一式。アイテムの紹介は長くなるのでまたの機会に。案外少ない?)

私はソロキャンを始める前は、家族でファミリーキャンプもしてましたので、シュラフやマットやヘッドライトは既に持ってましたし、これまでのロングツーリングでタナックスのツーリングバックⅡも買ってありましたので、後は「ソロツー用のテントを購入すればよい」という環境で、かなり楽でしたが、これを一から揃えようとすると、相当回数ソロキャンすることを前提に考えないと全然割に合わない。

これに加えて、キャンプをより楽しく充実させたものにしようとすれば、「焚き火したいし、コーヒー飲みたいじゃん!」「寝っ転がるためのコットも欲しいよ!」ということになり、ランタンやチェア、テーブル、焚き火台、シングルストーブ、コットなどなどの調達で、費用がどんどん膨らんでいって最終的には10万円を超える高額支出になってしまいます。
 
さらに切ないのは、「良いアイテムには際限がなく、どこかで線引きしないと、かかる費用は天井知らずになっていく。」ということであります。ソロキャンプツーリングにおいて求められる装備は、「軽量」「コンパクト」「高性能」ってところなんですが、バイクでもその要件を満たすスーパースポーツは高いですよね。キャンプ用品も同じで「高性能、高機能=高額」の方程式が成り立つ。

高いものは確実にいいわけですが、どこかで線引きをしないといけない。ここら辺の折り合いをどうつけるかが非常に難しいのです。何を捨てて、何を採用するのか?キャンパーの個性が出てくるところといえましょう。(まぁ私は酒があれば後はどうでもいいのですが・・)

心得の条その2 普段よりかなーり余裕を持ったツーリング計画をオススメします。

ソロツーリング好きな人はわかると思いますが、旅館で上げ膳据え膳で温泉浸かって疲労を抜いて、旨い飯食って連泊したって、バイクでの旅はそれなりに疲れる。いわんや自分でテント張って、食事を調達し、固い地べたで寒さ暑さや虫と戦いながら眠るソロキャンプツーリングはそれ以上に疲れるのは至極当然であります。私のように何にもしない系のソロキャンプでも、意識しないうちにマメマメと動いている。マジで予想以上に疲れますから。

ですからソロキャンプツーリングを楽しもうとするなら、フツーのソロツーリングより半日は余裕を持った感じで旅程を組んで、強行軍はやめたほうがいい。前日テントの中でよく眠れなかったのに翌日の走行距離が500㎞とか、もはや修行か荒行か?と嘆きたくなります。

初めは時間をゆったりととって、基本1泊で行うのがおすすめ。1泊なら余り遠いところにも行かないと思いますし、多少疲労しても翌日だけなら踏ん張りがきく。これが連泊になって疲労が蓄積していっちゃうと集中力が落ちてきて、ライディングが雑になり命に関わりかねない。

その点に配慮しつつ、自分の体力にあったソロキャンプ計画が組めるまでは、近場から始めた方が良いと思います。

カップラーメン1+1
(キャンプで食べるカップヌードル「カレー」ほど旨いものはない。これにツナマヨおにぎりとビールがあれば私はもう何もいらない。)

カップラーメン2+1(ダイナ嬢でお送りするソロキャンあるある。ラーメンを前にして箸がない。この絶望感は異常。私は車載のプラスドライバーでこの難局を乗り切りました。)

心得の条その3 できるだけ整備された有料キャンプ場のフリーサイトがいいです。

私は軟弱といわれようとも有料キャンプ場をオススメします。料金はフリーサイトだとせいぜい1000円~2000円くらい。芝生部分にバイク乗り入れ可能ならテントの横までバイクでつけちゃえばフリーサイトで十分すぎる。

あと、シーズン中は人気の高いキャンプ場は敬遠してます。一人静かにソロキャンプでしんみりしたい時に、フリーサイトがファミリーでごった返していると正直辛い。隣で豪華なバーベキューに舌鼓売ってる脇でコンビニおにぎりやカップ麺を食すのはいささか空しい気分になるし、周りの子供達から

「あのひと、なんでひとりなのー?」

なんて指さされると、自分が「幸せ空間に紛れ込んだ害虫」のような気分になり、「ごめんね、ごめんね」とつぶやきながら、「テントに引きこもる」という悲しき結末を迎えかねない。「なっぷ」なんかで予約のとれるキャンプ場だともうほんとファミリーだらけなんですよ。

また、コストをかけて整備されたキャンプ場は「虫がいない。」、念のため虫除けの森林香とハッカ油は必ず持っていくようにしていますが、虫は少ない方が良い。これが草ボウボウの無料キャンプ場だと来ますよ、ムカデやブヨやアブや蜂や蛇が(笑)。

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(キャンプ場がこれくらい整備されていると、川沿いでもヤバい虫はほとんどいません。)

神経の細い人はビヨーンと飛び回るアブが一匹テントに紛れ込んだだけで、発狂しそうになると思いますので、虫は少ない方が良いですね。

心得の条その4 雨、風が強い日は、絶対にキャンプはやめた方が良いです。

バイクのツーリングでも雨は厳しいですが、ソロキャンプツーリングになるとさらに厳しい。雨の中ビシャビシャになりながらキャンプ場にたどり着き、カッパ着てテントを設営、テントの中にひきこもり、わびしくカップ麺をすするなんていう事態になると、週末の楽しいレジャーというより「ホームレス体験記」というような様相を呈してくる。

そんなとき隣に友人がいれば話し相手にもなるんでしょうが、ソロキャンプでは話し相手もいない。若さがあれば、「これも試練よ!男の証!うぉぉおおお滾ってきたぁあああ!!」的な気合いで乗り切ることもできるのでしょうが、中年に若者らしい覇気などあるわけがない

おっさんの雨中ソロキャンは端から見るとなんか渋くて、サマになってるのかもしれませんが、「単に心が折れてぐったりしてるだけ」


苦労して休みを取って出かけたキャンツーで雨に見舞われ、打ちひしがれる中年には「妻に逃げられ、事業も破綻し、全てを失い路上生活」的な哀愁も漂い、もはや貧乏神にしか見えません

誰しもそのような状態にはなりたくないと思いますので、雨中のソロキャンプツーリングは避けた方がよろしいでしょう。

なお、やむなく出先で雨に見舞われたら、最悪キャンプ場をキャンセルして、どこか屋根のあるところ(橋の下とか道の駅の軒下とか)にテント設営も考えた方がいいまであります。気分的な問題もありますが、とにかくテントがビシャビシャになっちゃうと、「一旦乾かさないとどうにもならん」からです。

雨が降ってなくてもテントが朝露でビショビショになることはありますが、晴れていれば、水気をタオルで取ってから、じっくり乾かして撤収できる。しかし、雨の日はそれができません。テントが濡れたままだと、袋にそもそも入らないし、無理にぶち込むとメチャクチャ臭くなってどうにもならなくなる。車ならとりあえず巨大ゴミ袋に押し込んで撤収し、家でゆっくり乾かすことも可能ですが、収納余力に限界があるバイクではそれもできない。ダバダバと雨が降る中、まさに「八方塞がりのトホホ状態」になるわけです。

また、風の吹く日も大変。私のテント「ライペンのドマドーム」は総重量2㎏強しかないので、風が強いとダンボール箱のように凄い勢いでぶっ飛んでいきます。彼方まで飛んでいくテントを呆然と眺めつつ

「ははは・・・今時のテントは軽量じゃのう・・初いやつよ・・」

とつぶやいた後、全力疾走でテントを追いかけることになる。テントだけではなく、チェアもコットも、バイクに搭載するために軽量なものを選んでいるのが災いして、豪快にぶっ飛んでいってしまうので、強風の日はおっさんがキャンプ場を右や左に走り回るという悲しいことになるのです。

私は雨の中でキャンプするのがとにかく嫌で、前日までキャンプ場の予約はしません。私の近隣のキャンプ場はオートサイトはすぐ埋まりますが、フリーサイトは大体空いているので、2日間天気がもちそうなら出発の朝予約してキャンプ場に走り出すって感じで、とにかく雨、風は徹底して避けています。


なんか書いていたらとんでもなく長いものになってしまいましたが、このような苦難を巧妙に避けていけば、とっても楽しく充実した週末を過ごせる。「大事なのはキャンプのいいとこ取りができるときだけ決行し、決して無理はしない。」ということです。

趣味のレジャーは仕事と違い、無理をしてもリターンはない。だからこそ「楽しむことに全力を傾けるべき」、相手は強大な大自然。だからまず楽しめる環境を見定めることが大事なんです。そこをしっかり理解し、実践すれば、きっと失敗のないソロキャンプができるんじゃないでしょうか?