ワンフェスの転売屋問題に関する考察もその3回目を迎えました。ライブドアではバイクのブログカテゴリに入っていますが、内容はバイクと関係ない。個人ブログですのでもはや何でもありです。

「これだけ書いてきて、まだ書くことあったんかい!!」と思われる方がいるかもしれないけど、まだ少しくらい書きたいことはあるんです。最初のブログでは「ワンフェス運営側」から「なぜ転売業者がなくならないか?」を考察し、2回目のブログでは「落札者側の事情」から転売屋問題を考察しました。

これまでのブログはこちら。

ワンフェス転売屋問題に関する一考察 その1
ワンフェス転売屋問題に関する一考察 その2

では第3回目は何を考察するのか??

今回は、「冴えない一事業者である私から見て転売業者というのはどういう風に映るのか?」ってところにフォーカスしてみたいと思ってます。フィギュアモデラーとして、ワンフェスで跋扈する転売業者を語るのではなく、事業者として見てみようってことです。簡単に言うと転売って「商売としてどうなのよ??」ってこと。その点をモラルとか、法律とかややこしいことを抜きにして、フラットな感覚で分析してみたいと考えているわけです。

ジャンヌオルタR2
(今回のワンフェスも個人的には小粒だなー。と感じましたが、その中で刺さったのは、やっぱりVispoさんとこのジャンヌRですかね。買えてないですけども・・。写真はVispoさんのホームページより転載です。)

業種としてみたときの転売のいいところは、なんといっても「他人のまわしで相撲を取る」とこでしょう。やってることは、ワンフェス等でディーラーのガレキフィギュアを買って、ヤフオクに流すだけですから、特殊な技術はなくていいし、資本投下も最小限。店舗もいらない。右から左に販売するので在庫もほとんどない。これで利益出るんなら実に旨い商売です。「いや、仕入れ先の吟味にセンスが・・」なんていっても、そんなもん私でも「何がヤフオク値がつきそうなのか?」くらいわかる。

フィギュアの善し悪しはフィギュアモデラーじゃなくても、フィギュア造形見りゃすぐにわかるんです。素晴らしい作品は輝いてるから。事前に得たディーラー情報を横目で見ながらワンフェス会場で朝から並んで、輝きに満ちた作品たちを写真撮影と共にゲットする。で、ヤフオクに流す。買い手はヤフオクが自動的に決定してくれる。後は落札金を取得して、梱包して送るだけ。やってることは、流通経路に強引に割り込んで、競りを利用して利益を上げるというシンプルなものですから、特段のスキルは必要ありません。

商品を企画製造しているわけでもないし、流通管理しているわけでもない。商品説明も特段なく、営業のセンスもいらない。必要なのは転売商品を買う元手とそれをなんとしてもゲットする根性と体力でしょうか。

ジャンヌオルタR
(これ、お尻が丸出しなんですよね~。ライディングにあたって一番守るべき尻を無防備にさらして挑発してくるとはやってくれる。こういう扇情的なエロティシズムを入れてくるのがVispoさんの持ち味ですね。私はバイクとセットのRシリーズの昔からの大ファンです。)

私は僻地にいるので、ガレキの入手にヤフオクをそこそこ利用しますし、前回、前々回のブログで述べたように「ワンフェスで転売業者を排除するのは不可能」と諦めている。転売業者と戦うことなんてハナから放棄し、どっちかというとそれを利用してます。

趣味でイベント参加する一般人と、商品を戦略的にゲットすることを仕事にしている人がガチンコして、一般人が勝てるわけがありません。タダでさえ販売数が少なくて的が小さいのに、そこに転売業者が入ってきた日には「趣味のサバゲーに自衛隊の特殊作戦群所属隊員が入ってきた」ようなもので、もう全然勝負にならない(笑)。だから、会場へ行くガッツも湧かなくなってきています。

でも旨いことだらけのように見える転売も事業として見ると結構穴だらけです。零細業者の私から見ても大した収益性も持続性も発展性もないんですよね。ワンフェスで人気のある1ディーラーの商品を全部ゲットできたとして、ガレキならせいぜい20個~30個くらいでしょう。それを1万5千円くらいのプレミアで転売したとして、30万円~45万円程度にしかならない。転売業者も1人じゃないでしょうから、彼らの間での争奪戦もあって利益は分散する。

3ジャンヌオルタR
(オルタRのバイク。今をときめくFGOキャラとバイクの組み合わせは販促力絶大。それにしてもVツインのエンジン造形が素敵だなぁ・・。これまでのRシリーズはNSR50がベースで、ほとんど単気筒でしたからね。昔のRシリーズみたいに歪みもなさそうです。)

転売して利益が出るものってそもそも販売数が少ない。転売業者は商材を自分で作っているわけではないので、量産することはできない。よって、利益は限定商品の仕入れ次第になる。よく転売で月販売100万円!なんて記事が出てますが、月100万円の販売が当たり前にできる業種は月100万円!なんて記事はそもそも出ねーんです(笑)。

そんな記事見て、転売を目指す人たちが増えれば増えるほど市場をさらに食い合うので、利益はどんどん減っていくわけです。彼らはパイを広げる能力があるわけでもなく、パイを作るわけでもなく、同じパイの中でひたすら戦ってるわけですので、最終的な行き着く先は推して知るべしというべきです。

このような事情に加え、転売業は「売り手として買い手の顔を見ないから、商売の本質的能力が全然身につかない」という最大の問題点がある。

転売屋はたまに「我々は購入機会のない買い手の利益になってる、不公正な市場を是正しているのだ!」とおっしゃいますが、買い手の方は「こんなに高騰しちゃって・・明日から当分カップ麺だな・・・」と血の涙を流しながら落札してるのが現実です。彼らはヤフオクの価格がつり上がっていく過程しか見てないから、その裏で指を震わせながら札を入れている人の気持ちはわからないですよね。

商売というのは誰かに対して「何かを売る」だけじゃなくて、それを通じて相手方とやりとりしながら「目の前にいる契約の相手方を理解し、事業者として成長していくこと」だと思うのですよ。

確かに多くの人を相手に事業をしていれば、予期せぬ落とし穴におっこちて他人の保証をかぶったり、不景気で取引先がぶっ飛んだりして、裁判所に財産持って行かれたり、丸裸になるような局面も出てきます。バイクだけではなくて、事業でももらい事故ってのがありますからね~(笑)

でも、そんなどん詰まりの局面が、人を一番成長させる。いろんな経験をすると、そのうち裁判所や銀行などの「第三者に絶対に差し押さえられず、決して奪われないものがこの世にはある」ってのがわかるんです。それは「その人が持つ知識や能力や経験値」です。

RPGでもダンジョンの奥で全滅し、防具や武器、アイテムを全部剥がれても、ステータスまではとられない。だから、事業者は「自らの能力を常に磨くのが最大のリスクヘッジになる」んです。

一方、転売にリスクはほとんどありません。それゆえ、商売で一番大事な基礎ステータスが全然身につかないように感じる。だって商品に対しても流通に対しても、販売に対しても責任をかぶることがほとんどない安全圏で、姿を見せることなく、右から左への商売してるわけですから。

「将来に向けて安定的な収益を得て、自分の事業を伸ばしていく」ことを目指すのなら、最後は銀行や取引先、顧客など、自分の周りにいる人から信頼してもらうことが必要で、信頼や信用ってのは「自分の名前を表に出さないと絶対について来ないもの」なんです。

自分の名前を表に出せない収益事業って、その場しのぎなだけで未来に繋がるものがなんにもない。そこで成功を収めても、おおっぴらにそれを誇ることも難しい。そういうのってはじめは良くても、続かないと思う。

ワンフェス転売屋問題+1(Vispo片桐さんの素晴らしいフィギュアの後に私のくだらない漫画を持ってくるという度胸。吉本で問題になってますが、反社(反社会勢力の略)と取引するとすぐアウトのご時世になりました。)

私は転売自体を否定しているわけじゃない。「買ってみたけどやっぱいらないから売りたい」というニーズは一般消費者にも普通にある。商品を購入した後、なんらかの事情変更により、「赤字になるけど、捨てるよりまし」と処分を余儀なくされる転売が存在する以上、転売は許容されるべき行為でしょう。

しかし、転売屋が行う転売は購入してすぐオークションに流す。旬の方が高値がつくからです。そんな転売は他人様の購入機会を横取りしての利益確保があからさま。普通であれば、イレギュラーで起こるはずの転売を利益目的で活用し、本来の需要を横取りしているわけですから、一般人に理解されるはずがないんです。

やがて、その問題点に気づいた多くの人たちは転売から足を洗っていくはずです。でも利益優先でそれに気づかなければ焼け野原をずっと歩き続けることになる。彼らが転売業者として有能であればあるほどそれは無駄な時間じゃないか?と私は思うわけです。転売で利益を出せるような人って、そこそこマメで商品発送も迅速だし、戦略的にもクレバーですよ。でも、「立ってるとこが荒れ果てて草も生えないところ」だということに気づいてない。

長年商売をやって上がったり下がったりしながら、飯を食ってきた私から見て即日転売ってそういう風に見えるんですよ。まぁ私のブログは尖ってるし、偏ってるので、いろいろと反論はあるでしょう。転売業者にも一部の理があるから成り立っているのは前回のブログでも述べましたし、そこを議論するつもりはありません。

人は置かれた立場によって様々な意見がある。そこに正解などないし、人の考え方を変えられるなんてのは、完全な思い上がり。私だって綺麗な世界だけに生きてきたわけでもないですし、大上段にものを言う権利もない。だから、「転売をやめろ」とコメントする気はさらさらない。他人が転売を生業としようが何しようが、ある意味どうでもいい。

ただ、転売という商売は、利益を得られるようで一番大事なものは得られないのだ。ということを私の経験から述べてみたかっただけなんですね。


IMGP1846
(こちらはVispoさんのRシリーズ最初期モデル。へっちまん製作のアスカR。思い入れの深い作品。発売は2007年だったと思いますので、もう12年も前ですね。当時のガレキは歪みが酷くて組み立ては地獄でした。)