大昔前のタツノコプロのアニメのような題名ではじまりましたが、内容はミラクルでも何でもない。三点倒立をしながらとか、ゾンビダンスを踊りながらとか、オカルトハンマーを振り回しながらとか、そういうアクロバティックかつ奇抜なオイル交換を実行したわけではなく、完全な誇大広告であります。

このようなフツーの内容のものでも、「意味ありげなイラストや題名のあやしさで詐欺的に読者を釣っていく」というのは私のブログの確立したスタイルでありますので、何卒ご容赦を頂きたいと思います。

実は私、これまでハーレーに関するブログを沢山書いてきてましたが、多くの方が一番最初に行うメンテナンスの基礎中の基礎「オイル交換」については全く書いたことがありませんでした。大体オイル交換なんていうのは誰がやっても同じ手順なんで、面白いブログになんてなりようがないんですね。

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(オイル交換の前に、まず車庫のスペースを空けなくてはなりません。ということで一番かさばるF6Bは車庫の外にさようなら。懐かしい2ストDioはバイク小屋までの私の足代わり。昨年不動車としてタダで譲り受けましたが、キャブ清掃とエアクリーナエレメント交換で見事に復活し、現在は便利な足として大活躍中です。これ以外に改造モンキーとグロム、ダイナがあるんで計5台。車検、自賠責の出費だけでも馬鹿になりません。ハーレー以外はホンダばっかりなのでホンダ好きに見えるかもしれませんがタマタマ。人からいらなくなったボロバイクを引き取ってきて再生してたら、なぜかホンダばかりになってしまったわけで、ホンダの一般人への販売力は凄いとしかいいようがない。ちなみにこの写真、奇しくもホンダの最小排気量と最大排気量の2ショットになりました。)

ちまたで多くの人が書いているのと同じようなブログにしてもしょうがないので、私だけのオリジナリティにあふれたブログというものがこの世に求められているのではないか?そうに違いない、そうだと思う!というポリシーのもと、私の主観に満ちたバイク論を日々展開してきておりましたが、タマには肩の力を抜いて日常的なメンテナンスをまったり報告するのも悪くないかもしれないなーと思い、オイル交換したついでにその模様を写真に納めました。

「コイツこれまで、いろいろとどうしようもないクソブログを書いてやがるけれども、文章と同じく、メンテも雑で低レベルなんだろ?」とお思いの方、いやまったくその通り。私のオイル交換は本当にフツーでなんの変哲もないものです。

オイル交換と言えば、バイクのメンテとしては基礎中の基礎。古いオイルを抜いて新しいオイルを入れるだけの作業。メンテの中では一番シンプルで、必要性もわかりやすい。でも、オイル交換は簡単なようで、案外整備の基礎が詰まっていたりする。TC96の場合、エンジンオイル、クラッチオイル、ミッションオイルと3つ別々に合計4.5リッターくらいのオイルを飲み込んでます。

交換サイクルは私の場合、エンジンオイル3000㎞~4000㎞、クラッチオイル10000㎞、ミッションオイル20000㎞くらいと割と早めの頻度ですので、気がつくと、ああこんな距離か・・もう交換しなきゃ・・となってるケースが多いんですねぇ。

素人整備でオイル交換の際にドレンボルトを斜めに入れてタップを破損したり、オイルが漏れるのを過度に恐れて、ドレンボルト締めすぎてねじ切っちゃったりして、致命的な惨事になっちゃう人がタマにいらっしゃいますが、ドレンボルトでそれをやっちゃいますと、腰下をばらさなきゃならなくなるので絶対にヘタはできんわけです。要は緩すぎたらオイルが漏れちゃうし、締めすぎても良くないってわけなんです。

ここら辺を注意しながらオイル交換をやる訳ですが、逆に言うと注意するのはそこくらい。それでは、順を追って作業をご報告して参りましょう。

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まず、必要な工具は5/8インチのソケットとラチェットと長めのエクステンションバー。トルクレンチ(あればベスト)。私の現在使用している工具はほとんどがKTCです。親父が鉄工所やってたので、おさがりの無銘工具も山ほどある。(バイク店員時代はスナップオンとかBETAとか、洋物のブランド工具を使っていましたが、今となってはシンプルイズベストなKTCが気楽に使えて飽きないような気がしてます。)あと必要なのは換えのOリングゴムワッシャー、シールテープ、20w-50のエンジンオイルだけ。

ハーレーをちゃんと自分で整備していこうとすると、最低インチ工具とトルクスが必要になるので、それを揃えるだけでも結構な出費になりますが、ハーレーディーラーで整備頼むとパーツ類が全部定価になっちゃうので、長く乗るならパーツやオイルはネットで格安購入し、工具そろえて自分でメンテした方が大幅に維持費が安くなると思います。

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(ダイナ嬢の格言。「バイクはヘボメカニックが壊す。」これはある意味至言です。自分の手でメンテするのがバイク愛だという人もいますが、バイクをより良い状態に維持するのがバイク愛。自分の手に負えないと思ったら、バイク屋に預けるというのは大正義。)

TC96のビックツインはドレンボルトがオイルパンの真下にあるのではなくて、なぜかエンジンの左側面にある。エンジンの真下にあるボルトはミッションオイルのドレンなんです。これを知らずに普通のバイクと同じ感覚でホイホイとエンジン下のドレンを外し、間違えてミッションオイルの方を抜いちゃって、「さてエンジンオイルを入れようか・・」とオイル注入口からオイルを規定量も入れた日には、豪快にオイルがあふれてパニック映画になっちゃうので要注意です。

「そんなことあるわけないじゃん!!馬鹿なの?死ぬの?」

という人もいるかもしれませんが、バイクを乗り継いで、国産の整備に慣れた人ほど、早とちりしてこれをやりかねないんで、ハーレーの心得として胸に刻んでおいた方が良いでしょう。実は私、これ一回やっちゃって、大量に床にオイルを流し、放課後居残り掃除状態となり、半ベソでオイル処理したことがあるんです。それも最初のオイル交換ではなく、それまで何回もオイル交換してきているのに、何を思ったかボーっとしててやっちゃったんですよね。

ことほど左様に国産バイク整備で身についた癖って恐ろしい。エンジンオイルドレンはオイルパンの下にあるってのが常識としてしみついてて、体が勝手に動いて気がつくとボルトを抜いちゃってるんですよ。

というわけでハーレーのエンジンオイルのドレンボルトには横からアクセスしていくんですが、ダイナにはセンタースタンドがないのでそのままではバイクが直立しません。バイクを直立させることができないと、サイドスタンドで左側に傾いてるバイクの左側側面に取り付けられているドレンボルトへのアクセスがかなり面倒なんですよね。だからバイクを直立させたいわけですが、ハーレーってクソ重いし、どうやって直立させる?って問題がありますよね。

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(これが私の直立方法。ここまでやればガッチガチです。)

私の場合は写真のようにフロントホイールクランプでバイクを直立させて、保険で油圧ジャッキを噛ましてます。油圧ジャッキのみで直立させちゃう人もいらっしゃるかと思いますが、ちょっと不安定ですので、用意できるようならフロントホイールクランプも併用すると盤石です。ここまでやれば横からちょっと押したくらいではビクともしない。

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(ホイールクランプ。フロント19インチですので、アタッチメントは一番奥で調整してます。バイク直立させるときに一番楽なのがこれですね。)

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(クソ重いハーレーでは、ホイールクランプだけだとタマーに傾いてきてこりゃヤベェとなることがありますので、支えとしてジャッキを少し当てておきます。この足踏み式の油圧ジャッキはなかなか使いやすく、リアサス交換などでも活躍します。)


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フロントクランプからタイヤが抜けないようにブレーキレバーを引いた状態で固定しちゃいます。)

これで車体はド安定。ここまでキッチリ立てなくてもいいんじゃないか?という人もいるかもしれませんが、ドレンボルトを正しく入れるためには無理な姿勢からではなく、正しくボルトにアプローチできる角度を作ることから始めるのが一番いい。センタースタンドがあればいいですが、それがないハーレーは安定したジャッキアップが大事だと思います。

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ここまでやれば、作業は簡単。とりあえずエンジンをかけて暖めてから、廃油トレイを置いてドレンボルト緩め、オイルを抜きます。

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ドレンを抜いても爺の小便のようにちょろちょろとしかオイルが出てこないので、上の写真のようにオイルキャップを外して空気を入れてやります。ヤクルト飲むときに穴を2カ所開けるのと同じ理屈ですね。オイルキャップを外すと廃油トレイに流れ込むオイルの量が3倍くらいになります。前回のオイル交換時にフィルターを取り替えているので、今回はフィルター交換は無し。

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オイルを抜いている間にドレンボルトの取り付け準備をします。まずボルトをパーツクリーナーで洗浄して、ゴムワッシャーを新品に取り替え、その後に一手間、ここにホームセンターで売っているシールテープを巻くんです。現代のエンジンなのに、シールテープって(笑)こういうところがハーレーの愛らしいところですねぇ。ちなみにゴムワッシャーだけでも締め付けトルクをちゃんとしておけば、オイルが漏れることはないんですが、このシールテープ、ホームセンターにクッソ安く売ってますし、オイルの漏れ止めだけでなく、テープの粘りというか抵抗がドレンボルトの緩み止めになっているような気もするし、そんな手間でもないので、私は保険で巻いていますね。

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オイルを抜いたらドレンボルトはラチェットで締める前に必ず指で何回転か捻じ込みます。これはどんなボルトでも同じで基本中の基本、指で入れずに、「いきなりラチェットで締めて楽をしよう」といういけない心がタップを舐める大事故に繋がりますので、絶対にはじめは指で数回転締めなくてはなりません。

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締め付けトルクはトルクレンチで管理します。手の感覚でも大体わかりますが、持っているものは使わないともったいない。機械式とデジタル式の両方がありますが、私は機械式が好みです。

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ゴムワッシャー付きドレンの締め付けトルクは2.0N・m位。これがメタルワッシャーになると3.5N・m位の締め付けトルクが標準になります。今回は2.0N・mでトルクを設定。

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オイル交換も慣れてくると床にオイルを一滴もこぼさなくなる。これがなんとも気持ちいい。(黒いのは過去の汚れ)

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ハーレーのオイルキャップを外します。キャップにとんでもなく長い一本グソのようなオイルレベルゲージがついている。ハーレーは整備してても日本車に比べてうーん頭悪っ!と思うことが多々ありますね。

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いよいよオイル入れます。オイルはハーレー純正スクリーミンのSYN3。粘度は20w-50。メチャクチャ高いので並行輸入品を大量に仕入れてストックしています。ミッションオイルとしてもクラッチオイルとしても使用可能。私は余りに高いので流体収益と呼んでいます。エンジンオイルとしてならモチュールの300vの方が上でしょう。

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オイルを入れていきます。フィルター交換がなければ、だいたい2本分いれとけば規定量の最低限には達します。

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オイルを入れたら、ジャッキを外して、車庫から出して暖機します。

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断機を終えてしばらくしてから、オイルレベルゲージで油量を確認。この写真ではちょっと低いかな?という感じですのであと100ccほど追加するといい案配になるかも。

というわけでオイル交換は無事終了です。読み返してみると予想通り、全く何のひねりも話題性もないブログ。バイクの整備本みたいになっちゃってますが、自分なりに気をつけることは書いたつもりですので、参考にしていただければ幸いです。